ウィッシュルーム 天使の記憶

2007

『ウィッシュルーム 天使の記憶』は2007年にDS用として、任天堂から発売されました。

『アナザーコード』の制作陣による、独特なグラフィックが特徴の作品でしたね。

<感想>

開発はCINGというところで、この名前自体は、馴染みのない人も多いかもしれません。
しかし鈴木里香さんが手がけた作品であると言えば、80年代のADVが好きだった人なら聞き覚えのある方もいるのではないかと。

一応知らない人向けに簡単に説明いたしますと、80年代半ばに主にPCで名作推理ADVを多く輩出していた、リバーヒルソフトという会社がありました。
そこでその名作ADVを手がけていた人が、鈴木里香さんなんですね。
そのため、JBハロルドシリーズとか、藤堂龍之介シリーズとかが好きだった人なんかだと、本作の発売も楽しみだったって人も多かったのではないでしょうか。

さて、その肝心の中身なのですが。
ゲームジャンルはタッチペンを用いたP&C式ADVとなります。
ストーリー的にはミステリーものになりますね。
あらすじは以下の通り。
「舞台は1979年のロサンゼルス郊外。
消えた友人を捜す旅を続ける、元刑事のセールスマン、カイル・ハイド。
彼がたどり着いたのは「ホテル・ダスク」。
「願いが叶う部屋」があるという噂のある、寂れたホテルであった…」

一番の魅力と感じた部分は、グラフィックになるでしょうか。
DSのグラフィックには全く期待していなかったのですが、何事も努力とセンスとアイデアで何とでもなるもんなんですね。
独特なタッチとゆらゆらと動く感じが絶妙で、こういう進化の仕方もあるのかと感心してしまいました。
ストーリーの雰囲気にもマッチしていましたし、ここは大きな長所と言えるかと思います。

その他の魅力としては、一応ゲーム性も挙げられるでしょうか。
CINGは『アナザーコード』を手がけたところでもあり、本作でもDSの機能を上手く活かした謎解きが用意されています。
『アナザーコード』ほどのインパクトはないので、それほど大きなポイントとはならないかもしれませんが、それでも本作ならではって部分もありましたし、久しぶりに新鮮さを伴いつつ、頭を使った国産ADVをプレイできたように思いました。

そしてもう一つが、やっぱりストーリーになるのでしょうね。
これまた大人向けと言いますか雰囲気の良い作品で、久しぶりにじっくりと落ち着いてプレイできるストーリーでした。
私は、大人向けのゲームがしたくて、いろんな機種に手を出したんですけどね。
まさか一番子供向けかと思われたDSで巡り合うとは、何とも皮肉な感じですね。

ただ、このストーリー部分なのですが、大人向けとして楽しめる点は大きいのですが、大人向けだからと言ってそれが即素晴らしいというわけではありません。
あくまでもそういう傾向だということでしかないですから。
純粋にストーリーが突出しているかというとそうでもなくて、むしろ期待していたほどでもなかったのかもしれません。
確かに楽しめる内容ではあるのですが、あのリバーヒルの~って思っちゃうと少し物足りないかもってことですね。

それと本作は、一応はミステリーものなのですが、どちらかというとキャラの人間関係や過去とか、そういうのを掘り下げる路線の作品です。
そのため、トリックがどうのとか犯人が誰かとか、そっち方面を期待すると肩透かしに思うかもしれません。
購入検討する人は、事前にその点は理解しておくべきかと思います。

<評価>

総合的には、長所もいくつかあるものの、ボリュームとか物足りなさも若干あったわけで、名作に限りなく近い良作ってところでしょう。
私の場合は機種関係なく判断しますので、どうしても携帯ゲーム機のゲームには厳しくなってしまいますからね。
しかし携帯ゲーム機に限ってみるならば、十分に名作と言って良いように思います。

最後に、評価とは全然関係ないのですが、当初は『Hotel Dusk』っていうタイトルの予定だったんですよね。
海外でのタイトルも『Hotel Dusk: Room 215』ですし。
個人的には、『ウィッシュルーム』より『Hotel Dusk』の方が響きが好きなので、そこだけが何故変えたんだろうと、妙に引っかかったものでした。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2026-03-01 by katan

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