『南方珀堂登場』は1996年にPS用として、アトラスから発売されました。
なお、開発はシンキングラビットになります。
安楽椅子探偵という、ゲームでは珍しい設定のADVでしたね。
<感想>
推理ゲームは昔からたくさんあるものの、実は本当に推理させるものは意外と少なく、そのほとんどが足で調べる探索中心のゲームだったりします。
もっと純粋に推理を楽しみたいと思っていたところ、探索をしない安楽椅子探偵なら希望通りなのではと、それで購入したゲームでした。
さて、本作は安楽椅子探偵という設定なので、他の推理ADVの探偵のように移動したりすることはありません。
プレイヤーは送られてくるビデオテープを見て、それに対し推理をしていくだけです。
より純粋に推理だけを楽しませるというコンセプト自体はありでしょうし、潜在的にはそういうのを望んでいる層も多いと思います。
ビデオテープを見るという映像中心に進む展開であることも、PS世代に入ってからのADVらしさを感じさせてくれるわけで、この点も狙いは良かったと言えるでしょう。
また実際にも、若干の形式の違いはあるものの、『殺意の証明』をはじめとして与えられた情報から推理させるADVは、数こそ少ないながらも一応はあります。
こういう系統でも名作と呼べる作品もあるわけですから、本作も面白くなる可能性は十分にあったと思うんですけどね。。。
なかなかうまくいかないものです。
というのも、まず内容が微妙に馬鹿ゲーっぽくて、キャラとかノリとかで若干人を選ぶ内容になっています。
こういうゲームこそ堅実にリアルに作って欲しい気もするのですが、ちょっとあさっての方向に進んでしまった感があります。
もちろんそこは好みの問題でもありますから、中にはそれが良いと言う意見もあるでしょう。
しかし他にも、ゲームの中枢を担うビデオテープの操作が煩わしいため、ゲームを進行させる意欲が薄れやすいのです。
加えてこの当時のムービー系の常でもありますが、ボリュームもかなり少ないです。
う~ん、いざプレイしてみると、どうにも良い部分の見つからないゲームでしたね。
長所なりえそうなのは、つい気になって購入してしまったそのコンセプトくらいなもので、内容的にはかなりきついものがあると思います。
<評価>
総合では内容だけなら駄作なのですが、他とは異なるゲームを作ろうとした意欲、内容はともかくとしてゲームデザインだけなら一見の価値はあるかもしれないという点を考慮し、ギリギリ佳作としておきます。
面白いかとの視点からはあまりオススメできる作品ではないのですが、毛色が異なることだけは確かなので、自分の視野を広げることには役に立つのではないでしょうか。
これを踏み台にもっと作りこめば、きっと面白いものも出てくるでしょう。
反面教師にもなりえますし、推理ゲームを作ってみたい人にオススメしたい感じです。
結果的にはハズレに近い内容でしたが、この系統のゲームの今後には少し期待したい面もあるわけで、どこか他所に頑張ってもらいたいものですね。
ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2024-11-14 by katan


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