『ヴェルサイユ ~狙われた宮殿~』は1997年にWIN用として、ビクター・インタラクティブ・ソフトウェアから発売されました。
ヴェルサイユ宮殿を題材にしたMYST系のADVであり、360度見渡せるCGが圧巻の作品でした。
<概要>
オリジナルはCryo社から1996年に発売された『Versailles 1685』で、本作はその日本語移植版になります。
Cryo社は90年代に多くのADVを制作していたところで、日本では『アトランティス』シリーズが有名ではないでしょうか。
『アトランティス』の最大の特徴はグラフィックで、全方向360度にグリグリと見渡せるCGを他社より一足早く実装し、そのインパクトは絶大でした。
本作は『アトランティス』の前に発売された作品であり、実は、この時点で全方向360度パノラマCGを実装した作品だったのです。
<感想>
さて、タイトルにもあるように、本作の舞台はヴェルサイユ宮殿になります。
主人公は下級の廷臣となって、王に対する謀反計画を暴いていくことになります。
立場の異なる陣営が出てきて、一見するとサスペンスなのですが、まぁ、ストーリーには期待しないでください。
進行の目安に何かある程度な感じで。
ゲーム部分も、移動は面倒臭いし、謎解きもあんまり質は良くないでしょう。
この辺は何というか、Cryo社のADVの多くがそうなので、良くも悪くもいつものCryo社だなってところでしょうか。
そういう意味では出来の良くない作品でもあるのですが、グラフィックだけは抜群でしたね。
CGの質も高いですし、それをグリグリと動かせるわけですからね。
97年くらいまでだと、おそらくここしか実装していなかったわけで、もう別格ですよね。
それだけにインパクトが大きかったのです。
しかも、ヴェルサイユ宮殿の中身をしっかりと再現していますからね、
ヴェルサイユ宮殿内部を擬似的に体験する作品として捉えるならば、かなり秀逸な作品でもあったかと思います。
少なくとも、こういうゲームに興味のある層は、宮殿内を散策してみたいとか、興味のある人がほとんどなわけですよね。
そういう期待した層を最低限満足させる要素は含まれていたのであり、これはこれで十分に意義があったように思います。
<評価>
確かに欠点も多い作品なのですが、唯一無二の魅力も兼ね備えた作品でもありますからね。
総合では良作扱いでも良いのではないでしょうか。
私の評価はそんな感じですが、とにかくどれだけ興味があるかでしょうね。
代替が利かないだけに、好きな人は手放したくないような、そんな作品なのではないでしょうか。
ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-12-03 by katan
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