もんむす・くえすと! 終章 ~負ければ妖女に犯される~

2013

『もんむす・くえすと! 終章 ~負ければ妖女に犯される~』は2013年にWIN用として、とろとろレジスタンスから発売されました。

シリーズ3作目であり、ついに迎えた完結編ですね。

<概要>

「もんむす」、即ちモンスターを女の子に擬人化した、ケモノ娘属性向けのシリーズ。
「くえすと」ということで、ジャンルはRPG。
「負ければ妖女に犯される」ということで、主人公がモンスターに犯されるマゾゲーになります。

シリーズ全体の特色はそんなところですが、もう細かい説明は不要ですかね。
一応前章と中章の感想は以前に書いていますし。

今作はシリーズ3作目ですし、直接の続き物ですので、今作からプレイする人はいないでしょう。
もしシリーズ未経験で気になるのであれば、絶対に前章からプレイしてください。

<感想>

中章までを経験済みなら、もう方向性は分かりきっているでしょう。
私は別にケモノ娘が好きというわけでも、特にマゾ向けゲーが好きというほどでもないのですが、ストーリーやキャラの魅力に惹かれてここまでプレイしてきたわけでして。

今回も、前作同様に面白かったですね。
まずは無事完結してくれて、ありがとうと言ったところでしょうか。
続き物で結局未完ってケースも多いですから、ホッと一安心です。
そしてクオリティを下げることなく同じテンションで最後まで行ったことも、素直に賞賛すべきなのでしょう。
王道ながらも熱い展開で最後まで良かったです。

王道路線というのは、私の場合はマイナス要因になることも多いです。
でもマイナスに感じてしまう作品というのは、一から十までパターンにはまり、その作品の個性を感じられない場合なんですよね。
このシリーズの場合は随所に個性を存分に発揮した中での王道展開ですので、非常に楽しめたのでしょう。

ストーリーに関しては特に捻った部分もないですが、逆に捻ったが故に合わなくなるという人もいないでしょう。
だから中章まで楽しめた人ならば、間違いなく楽しめると思います。

キャラもロリ化したアリスが可愛かったですね。ちょっと前作までよりシリアスに傾いていますが、終章という性格上仕方ないのでしょう。

作品のどこに期待するかでも変わりますが、ストーリーやキャラが好きという人であれば、今作もそのまま楽しめるはずです。

<グラフィック>

問題があるとすれば、他の部分になるのでしょう。
まずはグラフィックですね。
価格に対する基本CGの量は多いので、客観的な部分は非常に優秀です。

ただ今回はシナリオの関係上、キメラや天使が多いのです。
何だか似たようなのも多いですしね。
私はケモノ娘が好きというわけでもないですが、あの有名なモンスターがこんな風になるのかという楽しみはあったわけでして。
誰しも知っているモンスターがどのように変えられているのか、出てくる度にプチ感動を味わっていたんですね。
それがキメラとかになってしまうと何でもありですし、何より「あのモンスターが~」といった感動はありません。
その点で、前作までにあった沢山のプチ感動の数が減ったのかなと。

もし今作に不満が出るとすれば、それはストーリーやキャラに期待した人ではなく、ケモノ娘がとにかく好きでモンスターに重点を置いた人なのでしょうね。
まぁ展開的に十分予想しえたので、その通りになったという感じですけれど。

<ゲームデザイン・システム>

ジャンルはRPGであり、戦闘は従来と同じく1対1のイベントバトルから構成されます。
力押しができず考える必要があるという意味では、良く出来ているのでしょう。

あとは好みの問題でしょうね。
一通りの技が出揃いパターン化してきたというのもありますが、今作は若干方向性も変わっています。

前章の頃はこの敵にどう攻めるかを考えていたのですが、今作では敵の技に対しどう対処していくのかという、守備面ばかりに気を使ったように思います。
攻めはわりと何でも良いのですが、その代わり守備の組み立てが大事になっています。

ここは前章と同じ事を繰り返して飽きられないように、変化させたのだと好意的に捉えることもできます。
だから好みの問題とせざるを得ないのですが、個人的には守備にばかり意識が回るのは、もやもやっとしてくるのですよ。
もっと攻撃面で組み立てを考える場面が多かった方が、ゲーム性も勝った時の爽快感も増したのでしょうけどね。
個人的には、ちょっと気になってしまいました。

<評価>

基本的には非常に良く出来ています。
同人のRPGでここまで楽しめたこともないし、今後もないのではとすら思っています。
その意味で、出会えて本当に良かったと思います。

だからシリーズ全体としては文句なしに名作だと思うし、中章の時点で既に私は名作と判断しています。
ただ、今作単独で考えた場合には、様々な面で中章ほどの満足度はなかったのかなと。
中章を名作とした上で、なおかつ今作も名作としうるほどの要素は、この終章にはなかったように思います。
そのため総合では、単独の評価として良作としておきます。

分割された続きものなので、単独での評価も難しいですけどね。
シリーズ全体としては、非常に満足度の高い作品でした。

ランク:B(良作)


もんむす・くえすと! 終章

Last Updated on 2024-11-06 by katan

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