『透明人間あらわるあらわる』は1993年にPC98用として、レッドゾーンから発売されました。
飛び出すエロシーンと言えばこの作品。
非常に珍しい3Dアダルトゲームでした。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式のADVになります。
なお、Hシーンだけ、おさわりタイプになっていました。
主人公は理科の教師で、虚弱体質であることもあり、苛められています。
そこで虚弱体質を改善する薬を作っていたところ、間違って透明人間になる薬を作ってしまいます。
そこからは、薬を完成させるために美少女の体液を回収する目的が半分、他には苛めていた相手に復讐をするという目的が半分で、つまりは学校内を徘徊して女の子らに手を出すという展開になります。
<感想>
フェアリーテールの別ブランドでもあるレッドゾーン。
レッドゾーンといえば名前シリーズが有名でしたが、グラフィックに関しての特徴を挙げるならば、何と言っても劇画調のリアルで濃いキャラクターになるのでしょう。
本作は名前シリーズではないものの、レッドゾーンらしく、当然のようにキャラクターは劇画調となっています。
劇画調のグラフィックは人を選びそうですし、近年の萌え系だらけの状況下では更に好き嫌いが分かれるでしょう。
個人的には劇画調も結構好きだったりするのですが、劇画調と言ってもいろいろあるわけでして。
残念ながら本作の絵柄は、若干私の苦手とするタイプでした。
グラフィックにおいては、もう一つ忘れてならない大きな特徴があります。
というか、むしろここからが本題で、本作のほぼ唯一の特徴であり長所ですね。
それは何かといいますと、このゲームのグラフィックの一部が、赤と青のステレオグラフィックで描かれていたという点なのです。
最近は3DのTVとかが話題になっていますよね。
でも、昔のグラフィックで3Dと言うと、赤と青の3Dメガネを使用して見るものだったわけでして。
最近は見かけなくなりましたが、一時期はこの手の映像も流行ったものです。
そして、その技術を利用したアダルトゲームが、本作だったわけです。
キャラが立体的に見えるアダルトゲーム。
見方によっては究極のアダルトゲームのようでもありますよね。
好き嫌いは別として、もしゲーム全体がこの画像で作られていたら、それはそれで結構凄いものになっていたかもしれません。
でも残念ながら、本作で用いられているのはHシーンなど一部だけでした。
全部3Dだと疲れるかもしれないし、労力の面からも仕方ないかもですが、できれば完全3Dで見たかったものです。
<評価>
本作は、テキストは個性的で楽しかったものの、ストーリー自体は普通な作品です。
またゲーム部分にも特徴はありません。
だから作品に対する印象は、ほとんどグラフィックに対する評価で決まってきます。
この3Dメガネによる立体的な表示自体好き嫌いが分かれるので、当然人をかなり選ぶ作品ではあるのでしょう。
しかし、こんな珍妙なゲームは滅多にないですからね。
間違いなく新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。
特に珍しいものが好きな人、マニアックなアダルトゲームを集めている人ならば、本作を見過ごすことは絶対にできないでしょう。
ゲームの内容自体なら佳作とかもありえると思いますが、明確で珍しい特徴を有していることから、一応良作と判断しておきたいと思います。
是非はさておき、こういう試みのアダルトゲームがもっと増えても面白いかと思いますね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-09-12 by katan
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