The Star Named EOS

2024

『The Star Named EOS』は2024年にSilver Lining Studioか発売されました。

『Behind the Frame』を制作した会社による、同系統の作品ですね。

<概要>

ゲームジャンルはポイント&クリック式ADVになります。

あらすじ・・・
プレイヤーは若き写真家”デイ”として、行方不明の母親の足跡をたどる旅に出ます。
幼い頃、旅行中の母親から定期的に受け取っていた手紙にはいつも一枚の美しい旅行先の風景写真が入っていました。
ある日、その写真の中に今まで信じていたものが覆されるような奇妙な箇所を見つけたデイは彼の心の奥深くで聞こえる母親のような声に導かれ、母親失踪の真相を突き止めるための一歩を踏み出します…

商品紹介・・・
『The Star Named EOS ~未明の軌跡へ~』は「撮影」を主軸にしたストーリー重視の謎解きゲームです。
プレイヤーは手描きスタイルの美しい世界の中で、人生を彩りながらも儚い大切な思い出をカメラで撮影していくことになります。
写真のシーンを再現する過程で少しずつ家族の愛の謎を解き明かし、過去の記憶の断片から長い間明らかになることのなかった愛が本当の形を取り戻していきます。

<感想>

『Behind the Frame』は、私が20年以上待ち望んだタイプの作品で、とても素晴らしい作品でした。
本作は続編とかではないのですが、『Behind the Frame』と同系統の作品になります。
具体的には、ゲームジャンルはP&C式のADVで、グラフィックは2Dでありつつも、全方向360度、ぐるりと見渡せるタイプの作品なのです。

やっぱり全方向ぐるりと見渡せるのは良いですね。
プレイヤーは360度自由に視点を動かすことができ、グリグリ見まわしている間にも、キャラがアニメーションで動きながら話していたりするので、臨場感は最高です。
ADVは全部これにしてくれと思うくらい、私は好きなんですよね。

さて、『Behind the Frame』で全方向360度パノラマ映像を実現したわけですが、難しいのはここからの進化なんですよね。
これ以上の進化を見せつけるとなると、なかなか難しいように思います。
90年代の海外のADVも、結局は次の姿を示すことができず、以後は3D路線へとシフトしていきましたし。
では、どうするのか?
パッと思いつくのは、パノラマ映像に1場面での拡大縮小を組み合わせていくことなのでしょう。
ただ、思いつくだけなら簡単でしょうが、それをする必要性があるのか、自然な形でゲームに織り込むことができるのかとなると、なかなか簡単にはいかないのでしょう。

本作は、写真がキーワードとなっており、プレイヤーはゲーム内で写真を撮る機会が何度もあります。
写真を撮るにあたっては、ピントを合わせるためにズームイン、ズームアウトを行う必要があります。
言葉で書くと、何でもない簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、それこそコロンブスの卵のようなものといえるでしょう。
このブランドは、凄いことをシンプルに魅せることが本当に上手いです。
本作でも、ストーリーの設定に沿ったシステムを導入しながら、映像面の進化を見せつけることにも成功したわけで、本当に凄いと思います。
長年にわたり、どこもできていなかったことだけに、余計にもそう思います。

ストーリーについては、『Behind the Frame』が伏線を張り巡らせ、結構複雑で奥深い作品だったのに対し、本作はシンプルにプレイヤーの感情を揺さぶる内容になっています。
前作ほど凝った構造でないことから、個人的にはちょっと物足りなかったですけどね。
ただ、この辺は好みの問題でもあるのでしょう。
ここまで爽やかな気持ちでプレイできる作品も珍しいですし、このブランドの持ち味を端的に示すという観点からは、本作のようなシンプルに感情に訴えかける作品の方が向いているようにも思えますからね。
いずれにしても、本作は本作で十分満足できる内容でした。

ゲーム部分については、ストーリーとパズルの一体感という観点からは、前作ほどではないように思います。
本作は、どちらかというと、オーソドックスなP&C式に近くなった感じですし。
ただ、パズルの歯応えは、前作より上回っているように思いますので、2作目になって、ゲーム作りの方も洗練されてきたといえるでしょう。

<評価>

前作ほどのインパクトや凝った部分があるわけではないのですが、本作は本作で高い水準を維持していますし、前作から進化した部分もありましたので、総合では名作といえるでしょう。

2作続けて素晴らしい作品だっただけに、次作にも期待したいものですね。

ランク:A-(名作)

Last Updated on 2025-04-12 by katan

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