『おそ咲きの花』は2022年にWIN用として、サキュレントから発売されました。
独身アラサー喪女で山野作品を作ったらこうなったという感じですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
――傷物(たからもの)になる。
独身アラサー喪女・水姫は、数年前から名前も知らない男に「僕のチ■コ見てください」という画像つきのいたずらメールを送られていた。
(この人、私のことを想像して興奮してるんだ……)
異性……いや他人との交流がなさすぎる水姫は、その男にいびつな恋心のようなものを抱いていた。
しかしある日突然、月一できていたチ■コメールが来なくなり、初めて「もう送ってこないんですか?」と返事をする。
すると「実は良縁に恵まれまして、結婚することになったのです。今までご迷惑をおかけしました」
という返信。
激情に駆られ、チ■コメール男の素性の調査をとある探偵事務所に依頼する。
「で、その男を調べてあんたどーするの」「見るんです」「は?」
「この人のチ■コを見てやるんです!」
事務所を取り仕切る所長・紫雨は、そんな水姫を妙に気にして食事に誘ったりとちょっかいをかけてくる。
唯一の従業員のユウキは、そんな二人を複雑な顔で見つめていて――。
※アラサーでひねくれた思考をする恋愛未経験な主人公が包容力のある年上男性と恋愛したり、それをこの世の終わりみたいな人格のメガネに邪魔されたりするのが見たい人におすすめです。
<感想>
シナリオの山野さんの作品は、当初から刺さる人には刺さるのですが、男性向けを作っているときは、私はあまり良いとは思っていませんでした。
しかし、女性向け作品を作るようになってから、格段に良くなったように感じ、注目サークルとなっていきました。
それで本作にも興味を持った次第でして。
本作の大まかな内容については、概要にあるとおりです。
主人公は喪女で、その言動をみると、いかにも喪女という感じがしますので、人によっては凄く共感しやすいのかなと思います。
基本的にテキストは安定していますし、この一部の刺さる人だけを対象に、掴んで離さないような作風は、やはりというか、さすがというべきなのでしょう。
したがって、本作も大ファンであれば満足できるのかなと思います。
他方、ガールミーツボーイな展開、しかも登場人物が少ないとなると、何作かプレイすると、熱烈なファン以外には、同じようにも見えてしまいます。
特に過去作の『とも鳴りの舟』が良かっただけに、同系統の作品だと、そこからどれだけ差別化が図れるのかが問題になってきます。
その解決方法は、いくつもありえるのでしょう。
『痴者の夢』なんかは、ユニークなキャラクター性を取り入れることで、違った作風に見せかけることに成功していましたからね。
その点、本作は、ポイントとなりうるのはリアルな独身アラサー喪女の描写となるのでしょうか。
上記のとおり、これが非常に刺さる人もいるのでしょうが、かなり範囲は狭そうですし、少なくとも私には、これだけでは弱く見えてしまいました。
また、シナリオボリュームも少ないですし、基本CGも10枚しかないので、価格を考慮してもかなり割高であり、その点での満足度も低かったです。
<評価>
総合では凡作といえるでしょう。
以前の作風に戻りつつあるのが気がかりですね。
次もこの路線だと、少なくとも私は楽しめないように思います。
ランク:D-(凡作)