『スーパーエクスプレス殺人事件』は1990年にファミコン用として、アイレムから発売されました。
西村京太郎トラベルミステリーをゲーム化した作品としては、本作が2作目になります。
<感想>
よくゲームには「~原作」とか「~監修」ってのがありますが、その多くはハズレだったりします。
そんな中にあって、「西村京太郎トラベルミステリー」物は、メーカーが違ってもハズレがありませんでした。
※ただし、最近の携帯ゲーム機の一部リメイク作等は除きます。
本作もその内の1本で、『ブルートレイン殺人事件』に次ぐファミコン用では2番目の作品でした。
さて、ハズレじゃないということで、本作も基本的には良く出来ています。
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVで、ボリュームが少ないのは難点でしたが、この点は同時期のADV全般に当てはまるので、殊更欠点とまでは言えないでしょう。
そのため、プレイすれば普通には楽しめるとは思います。
特にこの時期は硬派な推理ADVが極端に減っていった頃でしたので、推理好き的にはありがたかったものです。
ただ、それを踏まえて更に進んでこれは名作かとなると、ちょっとどうかなって思うわけでして。
前作の『ブルートレイン殺人事件』は、マルチサイトにザッピング要素があり、また指紋合成というシステムもありました。
土曜ワイド劇場さながらのグラフィックも、FCにしては良く出来ていましたし、小粒ながらも凝縮された非常にインパクトのある作品でした。
本作も、モンタージュ作成という要素は加味されていますが、基本的に前作のマイナーチェンジといった感じで、どうにもインパクトが弱かったかと思います。
加えてPCエンジンの『北斗星の女』も同じ年に出ていましたし、『北斗星の女』の方が音声付でインパクトもありました。
西村京太郎ファン的にも、どうせ買うなら『北斗星の女』に食指が動くってものでしょう。
<評価>
そういうわけで、出来は悪くないけどセールスポイントの少ない、この頃の西村京太郎物のゲームの中では、1番目立たない作品って感じでしたね。
評価的には良作でも良いのでしょうが、北斗星で良くね?ってのがどうしてもありましたので、厳しいかもしれませんが佳作としておきたいと思います。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2025-01-30 by katan
コメント
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モンタージュは意外と苦戦した人が多いかもしれませんね。
昔は切羽詰った状況でなくても
「覚えてないから一旦中断して調べに行こう」
というのが出来ないのが多く、今作もモンタージュを
正解するまでひたすら粘るかリセットしてやり直すしかなかったですね。
私も顔を覚えてなかったのでリセットしてかなり前からやり直した記憶があります。
現実でも人の顔を覚えるのは苦手ですが、
まさかゲームでも苦手だとは思いませんでしたね。
神宮時三郎はシリーズ化して今も続いていますが
この西村京太郎ミステリーも続いて欲しかったですね。
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こんばんは、コメントありがとうございます。
>正解するまでひたすら粘るかリセットしてやり直すしかなかったですね。
ここなんですよね。
ゲームの西村京太郎ミステリー作品は何かしら新しい試みがなされているものが多く、それで基本的に好印象だったりもします。
時刻表トリックとかは自分で考える必要があり、ゲームとしての面白さにもつながっていました。
モンタージュ作成も面白さにつながっていればよかったのですが、正解できるか否か、それも覚えているか否かなので、どちらかというと苦戦したときの辛さの方が先立ってしまったように思います。
とは言うものの、基本的には楽しかったですし、もっと続いて欲しかったですね。
一応、携帯機でも幾つか出ていますが、PSPのリメイクは失敗したもののDSの新作は評判が良さげですね。
携帯ゲームは後回しになりがちなのですが、機会があればやってみたいものです。
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お返事ありがとうございます。
「北斗星の女」の後も出てたんですね。調べ不足でした。
そう言えばDS版はCMで見た記憶があります。
でもかなり期間が空いての発売だったようですね。
PSやセガサターン、その後のPS2やドリキャスで発売されず、
世間の記憶から消えていったのが悔やまれます。
PSP版は3DOからのリメイクらしいですが全然知りませんでした。
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3DOの『悪逆の季節』からはかなり間が空いてしまった感じですね。
3DO版があるからPS・SSは仕方ないとしても、PS2・DC世代以降の据え置き機で発売されなかったのが悔やまれます。
DSで出てくれただけでも感謝すべきなのかもしれませんが、FCの2作品にしても以後の作品にしてもグラフィックやサウンドも優れた作品が多かったですからね。
特に北斗星や悪逆なんかは見た目でも驚かされたものですし。
だからこそ余計にも、最新機種の最新技術で作って欲しかったんですよね。
因みに、PSP版は全くやる価値なしでしょう。
動画とシステムが一体化したシステムで動画を削ったらゲーム性にまでも影響を及ぼすのは明らかであって、発売前からこれ駄目だろって思っていました。
そしたら、案の定評判が悪かったですからね。
例えリメイクであっても、西村京太郎作品にハズレなしの伝統を崩してしまったことは残念でしたね。