『ストラッシュ (STRUSH)』は1991年にPC98用として、オレンジハウスから発売されました。
可愛いキャラで、システム的にも凝ったADVでした。
<概要>
主人公は探偵の相場忍。
名門有名私立学園で起きた連続失踪事件を解決するために潜入するという内容の、学園ミステリーものになります。
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVでした。
<グラフィック>
まずはオレンジハウスの作品全般に当てはまるのですが、とにかくキャラが可愛いです。
私は凄く好きだったのだけれど、当時評価されやすい絵とはまた違ったのかな。
今振り返ってみると、少し時代が早かったんですかね。
あまりエロさを感じさせる絵ではなく、どちらかというと萌え系の絵に感じるわけでして。
萌えという概念の普及した後の方が活きた絵柄だったのかなと、今更ながらに思ってしまいます。
本作の場合、その可愛いキャラで、目パチ口パクもありますからね。
グラフィック面は申し分なしでしょう。
<サウンド>
そして、これまたオレンジハウスの特徴として、早くからMIDI音源に対応していたことが挙げられます。
アダルトゲームメーカーで、この頃にMIDIが標準対応だったのは、おそらくこのブランドくらいなものでしょう。
あいにく私はサウンドにはこだわらないタイプでしたので、MIDI音源の恩恵は少なかったのですけどね。
サウンドに、音源にこだわりのあった人ならば、ここは大きなポイントとなるのでしょう。
<ゲームデザイン>
さらに本作ならではの特徴として、マルチ・プレイヤー・チェンジ・システムが挙げられます。
主人公はパートナーと行動をするのですが、このパートナーとなる生徒を必要に応じて入れ替えることができるという、斬新なシステムでした。
そもそもザッピングシステムの場合、キャラを交代させる作品が多いことから、マルチサイトを伴う物が多いんですよね。
だから混同して勘違いする人も多いのだけれど、本作は視点は固定されていますので、マルチサイトの伴わない純粋なザッピングゲームと言えるのでしょう。
まぁ、発想的には『新・鬼ヶ島』の発展版みたいなところでしょうか。
というわけで、結構見所も多い作品だったんですけどね。
あまり強く印象に残らなかったのは、基本的なストーリーが少し弱かったことと、コマンド選択部分の面倒臭さが災いしていたからなのでしょう。
まぁ、やっぱりゲームの中枢部分が大事ってことですね。
<評価>
ストーリーや基本的なゲーム性という観点からは凡作で、そこにアイデアの良さやグラフィックの良さが加わり、総合では佳作とします。
個人的には佳作としておきますが、上記のようにサウンドにこだわりのある人ならば、良作以上もありえたかもしれません。
化ける可能性も秘めていただけに、勿体ない作品でしたね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-09-15 by katan
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