『ヘチマに恋する女子校生』は2016年にWIN用として、Dreiから発売されました。
犬のヘチマとの純愛ストーリー。
Dreiらしさ満載の、唯一無二の作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・椎名アリスは、クラス委員の仕事で夏休みにもかかわらず学校へ来ていた。
たまたま校内を歩いていると、どこからともなく迷い込んできた謎の男「ヘチマ」に襲い掛かられ、更にはなつかれてしまう。
学校側が通報しその男は連れて行かれそうになるが、アリスが全ての世話を引き受けると言う事になり、夏休みの間だけ学校に置いてもらう事になる。
一安心と思いきや、他人の世話などした事がないアリスは始めての経験に悪戦苦闘……
激しくしがみつかれ部屋の中を必死に逃げまわる始末。
少しでも「ヘチマ」の事を調べようとネットで調べているうちに、いかがわしいサイトを見つけて一人で興奮。
昼間の行動は女として求愛されたのだと解釈し、なぜか心がときめいてしまう。
生まれて始めて異性を意識したアリスは、世話を続けるうちにどんどん「ヘチマ」のことを意識するようになっていく。
そうこうしていくうちに夏休みはあっというまに過ぎていき、謎の男「ヘチマ」を当局に引き渡す約束の日が迫ってきた。
果たして、アリスは、ヘチマは、どうなってしまうのであろうか!
<総論>
ブランド2作目になります。
タイトルだけ見ると、道具を使った作品なのだろうかと、いまいち何だか意味が分からないし、上記のあらすじを見ても、ヘチマは生き物なんだと理解できても、正確には分らないと思います。
もっとも、Dreiの一作目は獣姦モノでしたから、一作目を知っている人であるならば、パッケージの絵だけからでも内容を推測できるのかなと思います。
つまり、「ヘチマ」とはパッケージにも載っている犬のことであり、本作はひとことで言うならば、獣姦モノになります。
スカトロをはじめとして、大抵のジャンルはマニアックと思わなくなった私ですが、それでもこのジャンルだけは未だにマニアックと思ってしまいます。
いや、個人的には好きなんですけどね。
客観的にみて、これは無理って人も多いだろうなと思うものですから。
Dreiは処女作及び本作が獣系であることから、その路線で行くということなんですかね。
いずれにしろ、絶対数の少ないジャンルだけに、作品が出るだけでもジャンルのファンとしては嬉しいところでしょう。
さて、こういうマニアックな属性の作品の場合、大抵は属性特化の作品になることが多いですし、純愛よりは陵辱よりの作品が多いので、本作に対しても、そういう先入観を抱く人も多いかなと思います。
しかし本作は、必ずしも属性特化作品ではないですし、方向性としてもメインは純愛になるので、その点で少し変わっているのでしょう。
<感想>
具体的に見ていきますと、本作のメインルートは、主人公アリスとヘチマとの純愛ストーリーなのです。
ただ、その恋愛対象が人ではなく犬であり、その点で普通の恋愛ゲーと大きく異なるわけですね。
そしてこの恋愛ストーリーが、結構良く出来ているのです。
獣系の作品となると、背徳感を強調したいがために、どうしても暗めの作品が多くなってしまいます。
しかし本作は、通常時はコミカルな感じで進行します。
そういう意味では普通の恋愛ゲーっぽいのだけれど、ヘチマはあくまでも犬として振る舞っていることから、普通の恋愛ゲーとも異なる雰囲気に仕上がっているのです。
また、その手の知識のない主人公がいろいろ調べ、少しずつ染まっていく流れも自然で良くできていましたし、ラストも上手く纏まっていたと思います。
他方で、上記のように本作は特化作品ではありません。
本作にはバッドエンドの他に、大きく分けて二つのルートがあります。
一つは上記のヘチマとの純愛ルートで、もう一つが陵辱ルートになります。
即ち、ヘチマとの関係を教師に見つかってしまったことから、その教師に陵辱・調教されてしまうというルートですね。
この教師とのルートでは、オッサンとのHだけでなく、ヘチマ以外の獣とのHシーンがありますので、ある意味王道の獣姦ゲーっぽくもあります。
ただ、オッサンによる道具を使った行為が多いので、獣系特化作品を望んだ人の中には邪魔に感じる人もいるでしょうね。
その辺は好みの問題もあるので一概に言えませんが、恋愛と陵辱、ハッピーとバッドとの対比という意味で、私は良かったと思います。
つまりメインルートが陵辱系であるならば、オッサンによる陵辱ルートは要らねって私も思ったでしょうが、メインルートが純愛ですからね。
純愛が上手くいかなかった、特に本作は障害の多い恋愛なわけですから、それが上手くいかなかった場合のバッドとして、オッサンによるNTRがあっても良いと思うのですよ。
というわけで、大枠としては非常に楽しめた本作ですが、ストーリーに決して問題がなかったわけではなく、途中でちょっと同じ様なシーンが続いてしまうことから、中弛みというか、少し冗長に感じてしまうのです。
本作はミドルプライス作品ですが、もう少しコンパクトに纏めてロープライス作品にした方が、良かったように思います。
或いは、逆にボリュームを増やしてフルプライス作品にする、つまり、せっかく他の生徒とかも登場するのだから、そういう他のキャラと絡めれば、いくらでも話は広がったでしょうし、そうすれば凄く面白い作品になっていたでしょう。
もう少し横の拡がりを意識できていれば、当該ジャンルの代表作と断言できただけに、ちょっと惜しかったですね。
その他の点としては、ぶぶづけさんの絵は良かったですね。
ヘチマの絶妙なブサイクさ加減も良かったですw
<評価>
ジャンルがジャンルなだけに、どうしても人を選んでしまう作品ではあるのでしょう。
また、属性特化作品ではないことから、獣姦特化作品を求める人からも少し不満はあるかもしれません。
しかし、犬との純愛を描いた作品として、またそこにゲームらしくハッピーエンドと対照的なバッドエンドがきちんと用意されている作品としては、本作は秀逸な作品でもありました。
途中で少し冗長なところもありましたが、その分を差し引いたとしても、同系統の中では代表作ないし名作と呼べるだけの作品であり、他に似たような作品もないことから、名作といえるでしょう。
唯一無二の魅力を持つ作品だけに、とても印象深い作品でした。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-09-05 by katan
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