総務部庶務課

1997

『総務部庶務課』は1997年にWIN用として、h.m.pから発売されました。

今でも非常に珍しい、3DのセクハラSLGでした。

<概要>

このブログでは何度か扱っているので、もう説明は不要かもしれませんが、一応事前に説明から入るべきでしょうか。
h.m.pは有名なアダルトビデオメーカーであり、90年代後半にはアダルトゲームも制作していました。
もっとも、同業の他メーカーが得意分野たる実写系の作品ばかりだったのに対し、h.m.pは3DCGとポリゴンを用いた作品を作り続けた、意欲的なブランドだったのです。

ゼロ年代以降はゲームを作らなくなりましたので、ゼロ年代以降にエロゲデビューした人には馴染みがないでしょうが、90年代後半にリアルタイムで楽しんでいた人、特にアダルトゲーム系の雑誌も目を通していた人ならば、絶対にこのブランドは知っていると思うんですけどね。
ちょっと特殊すぎる作品が多いので、買ってプレイした人は限られているかもしれないものの、とにかく見た目のインパクトが凄いので、雑誌とかでも存在自体はすぐに目につきましたから。

本作もh.m.pが得意とするポリゴンと3DCGを用いた作品であり、ゲームジャンルは育成SLGで、内容的にはセクハラものになります。

<感想>

ヒロインとなるのは、総務部庶務課に配属された水野裕美。
プレイヤーは課長として、2か月の研修期間の間にセクハラを繰り返し、調教することになります。

ヒロインを育成ないし調教するという観点からは、90年代にわりと多かったジャンルとは言えるのでしょう。
しかし、WINDOWSの時代になってからは学園ものが増えましたし、サラリーマンやOLが主体となる作品は珍しい部類になるのでしょうね。
総務部庶務課というタイトルが印象的であり、こういう設定、しかも監禁して調教という典型的な調教ものと異なり、セクハラがテーマというゲームは、今を含めても非常に珍しいと思います。

また、それを3Dで表現してしまったわけですからね。
3Dのゲームってだけでもインパクトがあったのに、それでこの内容なわけですから、他のゲームと比べた場合の異質っぷりが半端ないのですよ。

95年にPSの名作で『ボクサーズロード』があり、食事から何から全部ポリゴンで表現していたんですね。
まだポリゴンが珍しかった時代だったことから、凄くインパクトが強かったのです。
その経験をアダルトゲームでもう一度味わった感じで、3Dによるエロ描写に驚かされたものでした。

<評価>

SLGとしては、一応は遊べるものの、課題も多い作品だったのでしょう。
ゲーム部分だけなら、凡作もありえるのかもしれません。
しかしセクハラゲーという内容的な特徴と、何でもかんでも3Dで表現した見た目的な特徴から、非常に個性の強い作品でもありまして。
その点を評価して良作でも良いのかなと。

当時は好きな作品でもなかったのだけれど、今はもう、こういうゲームは出て来ないのでしょうね。
本作は続編も作られましたし、結構売れたのでしょうが、当時本作を楽しんだような人は今のエロゲに興味を持っていないでしょう。
そうなると今作っても売れなそうですし。
もう出て来ないのかなと思うと、何だか無性に懐かしくなってきますね。

ランク:B-(良作)


総務部庶務課

Last Updated on 2024-12-11 by katan

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