『シルバー事件』は1999年にPS用として、グラスホッパー・マニファクチュアから発売されました。
独特の世界観が魅力の作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルは移動式ADVになります。
あらすじ・・・> 1999年、24区。謎の連続猟奇殺人発生!
捜査にあたる24署凶悪犯罪課の刑事たちは、ある犯人像に行きあたる。
<感想>
先に言ってしまいますと、この作品も含めそれ以外にも、グラスホッパーマニュファクチュアのゲームは人を選びます。
絶賛する人もいれば、貶す人まで極端に分かれうる作品が多いです。
まず良い点から言いますと、サウンドや雰囲気が良いのです。
そして演出面が非常に凝っています。
もともとFILM WINDOWという言葉に興味を持った作品でしたが、これは3Dやムービー、一枚絵やテキストなどを、時には複数組合せながらその場その場で最適な手法で見せる手法です。
私は常々ストーリーやシーンごとに相応しいシステムが存在するのであり、それをいかに組み合わせるかが大事だと言っていますが、本作はそういう理念の下に作り出されたわけです。
これはゲーム独自の物語の「見せ方」にこだわった結果であり、他のADVとは一線を画する表現方法にプレイヤーは驚かされるでしょう。
こういう新たな方向性を模索する姿勢は好きなんですよね。
特にADVの演出方面に興味がある人はぜひやるべきであり、最近のノベルゲームの範囲でしか語れない人などは、視野を広げるためにもプレイすべきと考えます。
そしてこれら優れた演出面や雰囲気に上手く酔いしれることができたら、プレイヤーとしては勝ち組なのでしょう。
ここに大きな魅力を感じ取ることができたならば、絶賛する側に回れると思います。
私もこういう姿勢は大好きだし最初は驚きもしたのですが、やや無駄にチカチカしすぎたのかなと。
それと、見せ方は上手いのですが、基礎たるグラフィックそのものは普通なわけで、評価ポイントとしては片手落ちな感じはしてしまいました。
まぁ、それでも全体ではプラス評価なのでしょうが、問題はそれ以外の部分ですね。
ストーリーに関しては好み次第で賛否分かれるように思いますが、普通に楽しめるってところなのでしょう。
もっと問題があるのは細かいシステム面なわけで、本作は長めのムービーを見る部分のほかに、FPSのようにプレイヤー視点で移動するADVモードがあります。
この部分が面白くない上に操作性が非常に悪かったのです。
ここがあまり気にならなければ楽しめるのですが、どうしても挫折する人は出てしまうでしょうね。
曲や雰囲気の良さと、狭義のゲーム性・操作性の悪さ、本当に両極端です。
<評価>
総合では、良い面と悪い面が打ち消しあい、ギリギリ良作だと考えています。
いずれにしろ、はまる人に合わない人と極端に分かれると思いますが、ADV好きならやってみる価値のある作品だと思いますね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2025-01-07 by katan
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