『サンパギータ』は1998年にPS用として、SCEから発売されました。
やるドラシリーズの第3弾になります。
主役とヒロインの声が松本保典さんに林原めぐみさんと、当時人気が絶頂期にあった『スレイヤーズ』の中の人たちと同じでしたね。
<概要>
やるドラというのは、具体的に言えば選択肢で物語が分岐していくタイプの、フルボイスフルアニメーションのADVでした。
ちなみに、このシリーズには各作品ごとにイメージとなる季節があり、今回は季節としては秋になりますね。
<感想>
これまでの2作品は、一見するとライトな雰囲気でした。
まぁ、実際には片方はホラー色があったし、もう片方は激しい修羅場があったりで、決して軽い内容ではなかったんですけどね。
それに対して『サンパギータ』では、あらすじ段階でもヤクザが出てきたり、最初の見た目からどこか重そうな雰囲気で、シリアス系を望んでいた自分的には、とても期待したくなる感じだったのです。
それに加えて、原画が攻殻機動隊の士郎正宗さんでした。
さらには主役とヒロインの声が松本保典さんに林原めぐみさんと、当時人気が絶頂期にあった『スレイヤーズ』の中の人たちです。
デモを見ていると主題歌も良い感じでしたね。
こうなってくると、当然買わねばってやつですよ。
何故か別のゲームを買ったときに、おまけで『サンパギータ』のシナリオ集ってのも貰いましたしね。
そのため、期待値は高かったのですが、結果としては、前の2作品ほどの出来ではなかったですかね。
まずゲームとしてみた場合、分岐による展開の幅が少なくなったように感じました。
自分の選択により異なる展開に発展していくのではなく、1本の正解があって他は単にバッドエンドに直行って感じで。
難易度は結構高めだったのですが、ただ難しいだけで正解以外での面白みが欠けているものだから、前2作のようにコンプしてやろうって意欲が沸き難かったです。
したがって、分岐の幅が減ったということで、ゲーム性は下がったと考えても良いかと思います。
ストーリーは、主人公が東南アジア系の記憶喪失の少女と出会い、そこに拳銃やらマフィアやらが絡んでくるわけで、バイオレンスやサスペンスといった内容の逃避行ものでした。
ストーリー面に関しては、舞台背景となる情勢をどれだけ理解しているかでも、印象が大きく異なるようです。
ヒロインのマリアはフィリピンのトンドスラム出身なのですが、フィリピン情勢に詳しい人は酷評していました。
その分野について分かる人ほど評価が落ちるのでは、あまり良くないってことなのでしょうね。
私は恥ずかしながらあまり詳しくないのですが、単純に物語としての魅力が欠けていたように思いました。
グラフィックと音声に関しては文句はなかったのですが、肝心のストーリーとゲーム性がこれではね。。。
<評価>
そういうわけで本作に関しては、絵買いや声優買いなら十分に目的を果たせるでしょうが、そうでないならちょっと肩透かしにあうって感じでしょう。
士郎正宗さんのキャラが林原めぐみさんの声でしゃべる。
私はそれだけで価格分の価値を見出すことができました。
なので、トータル的には佳作と判断しておきます。
同じ目的の人なら十分元は取れると思いますが、そうでない人にはあまりオススメできないかもしれませんね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-12-22 by katan
コメント