リングオブサイアス

1996

『リングオブサイアス』は1996年にPS用として、アテナから発売されました。

ゲーム機では珍しい、ファンタジーを扱ったサウンドノベルでした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

この頃の家庭用ゲーム機のノベルゲーに多かった、画面全体に文字が表示されるタイプになります。

<感想>

1つのジャンルが普及し定着すると言えば聞こえは良いのですが、何かがヒットしたからそれと似たようなゲームばかりがでるっていうのは、個人的に好きになれません。
つまり、かまいたちがヒットするのは良いのですが、推理物のノベルゲーばかり増えてくると、どれも同じに見えて嫌になってくるのですよ。

その点、剣と魔法のファンタジー世界を舞台にした本作は、他の家庭用ゲーム機のノベルとは異なるわけで、それだけでも好印象です。

まぁ、テキスト主体でファンタジーなんてのは、見方を変えれば80年代初期の最初の頃に戻っただけとも言えそうですし、PCではファンタジー系ノベルはあるので、ファンタジー系との理由だけで絶賛するわけにもいかないですが、それでも露骨に2番煎じですって雰囲気を漂わせているのよりは、よっぽど好感が持てるということですね。

また、本作は平凡なファンタジー物でもなく、設定も一風変わっていました。
他のノベルゲームは主人公視点なのですが、本作は主人公とプレイヤーが分離され、物語主導になっています。
選択肢を選ぶことで展開が変わるという点は同じなのですが、それが主人公の行動でないということで、つまりは主人公とプレイヤーの完全なる分離ですね。
本作では指輪が、はめた人を乗っ取ってしまいます。
この指輪が物語のキーとなっているわけで、ある意味指輪こそが真の主人公なのです。
指輪を誰がはめているかで視点がかわりますので、中には落ち着かないと感じて合わない人もいるでしょうが、個人的には面白い試みだなと思いました。
当り前かもしれませんが、何も「選択肢=主人公の行動」とする必要はないわけです。
しかし、皆それが当然であるかのように従っているだけに、その部分にもメスを入れてきた本作は、違う物を作るぞって意欲が感じられて好印象でした。

・・・と、一般的な説明ではそうなるのでしょう。
あんまりマイナーで古い例を持ち出すのもどうなのかと思いますが、設定的には80年代にあった『イーヴルストーン』と被ってるんですよね。
そのため、実はあまり新鮮でもなかったりします。
もちろん似た設定でも練りこんであれば名作足りうるのですが、明らかにこれは違うぞって思えるほど進化があったわけでもないですし。
善悪の対決といった作品なのですが、せっかく分岐するのですから、もっと悪が優勢な展開があれば幅も広がって楽しかったんでしょうけどね。
ちょっと勿体無かったですね。
それに伴い、主人公とプレイヤーの完全なる分離も既にPCで普通にあったので、この点でのポイントもつかなくなります。

或いはせっかく当時の最新鋭機たるPSでの発売なのですから、優れた演出など古いハードではありえないと思わせる要素があれば、それはそれで別物みたいな印象も与えられたのでしょう。
例えば同時期のPSの中では、NOELなんかが良い例ですよね。
しかしSFC時代のノベルゲームようなゲーム形式だったために、新しい技術で作り直したという印象も抱けなかったのです。

<評価>

そういうわけで個人的には佳作が精一杯なのですが、「家庭用ゲーム機のノベル」に限定すれば、かなり珍しい類の作品ではあります。
その意味では今でもプレイ価値は決して損なわれていない作品でしょうね。

ランク:C(佳作)


Last Updated on 2024-11-13 by katan

コメント

タイトルとURLをコピーしました