LOVE ESCALATOR (ラブ・エスカレーター)

1998

『LOVE ESCALATOR (ラブ・エスカレーター)』は、1998年にPC98用として海月製作所から発売されました。

PC98最後の大作ソフトということで、98ユーザーの中ではかなり知名度の高い作品でした。

<概要>

ゲームジャンルは変則的なノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
ある日、主人公の黒崎崇は親友の脇谷徹から、ある少女との仲を取り持ってくれるよう頼まれる。
その少女の名は、河合理恵。
崇の中学時代の同級生であり、かつて想いを寄せていた存在でもあった。
懸命に頭を下げる脇谷に対して頷くしかなかった崇は、親友のために自らの想いを押し殺し、彼の想いを伝えようと理恵に近付く。
ところが、話してみれば理恵も崇のことを中学時代から想っていた。
つまり、2人は両想いの事実を今日まで知らず、過ごしてきたのである。
互いの想いを知った2人は我慢できず、脇谷に内緒で交際を始めてしまう。
再び燃え上がった想いが2人の身体をも交わらせるのに、そう時間は掛からなかった。
脇谷に真実を告げられない背徳感の中、交際を続ける2人。
特に崇は親友との板挟みに苦しみながら、理恵の身体を求め続ける。
そんな彼に理恵もいつしか性の悦びに目覚め、自ら進んで身体を開くように。
場合によっては、山本のり子や大沢ひな子も崇と肉体関係を結びつつ、事態はより混迷の方向へ向かう。
崇と理恵の恋心、崇と脇谷の友情が織り成すエスカレーターの行き着く先は・・・。

<感想>

海月製作所のゲームは個人的には好きだったのだけれど、あまり大きいブランドってイメージはなかったですからね。
PC98の最後ということで、注目度が上がっていった感はありますね。

もっとも、大作と呼ばれるからには何かしら特徴があるわけで、ラブエスの場合はとにかくアニメーションがずば抜けていました。
大量のHシーンがことごとく動くわけですからね、

これはPC98のアダルトゲームに限って言うならば、間違いなくナンバー1でしょう。
海月製作所は元々アニメーションを得意としていたので、ここは期待通りと言ったところでしょうか。
そして同時にオカズゲーとしても、PC98のアダルトゲームの中では最高ランクということでもありました。

明確な長所がありつつ、それにボリュームも伴っていますからね、本作が名作であることは間違いないでしょうね。
98最後の大作というのも伊達ではありません。

ただ、若干気になる点もあったわけでして。
まず、時期的な問題ですね。
98年にはアダルトゲームもほぼ全てWIN用になっているわけです。
というか、本作以外は全てWIN用なのです。
PC98最後の大作と言えば聞こえは良いですが、結局は発売が延びに延びた結果ですからね。
どうしてもプレイ開始の時点で既に古臭さが漂ってしまいます。

次にシステムですが、基本的に選択肢を選ぶタイプのADVです。
ただ、毎週相手と場所を選ぶことの繰り返しで、無駄に長くだるいんですよね。
中途半端にADVとSLGが混じったような感じです。
まぁこうしたSLGとADVの中間的な構造自体は、この時期のアダルトゲームにわりとよく見られた構造でもありました。
そのため褒められたものでないにしても、致命的なマイナスにまではならないでしょう。
逆にこういう形式が好きな人なら、プラスにもなる可能性はありますし。

問題はストーリーなんですね。
本作のあらすじは大まかに言えば、親友の好きな人を隠れて自分の恋人にしてしまったというものです。
見るからにグダグダな展開になりそうな設定ですよね。
案の定、主人公はヘタレで嫌な感じです。
海月製作所の前の作品である『ルーキーズ』の主人公は良い男で、個人的にかなり好きだったんですよね。
しかし、その次の作品がこれじゃあね・・・
もともと私はヘタレ主人公は嫌いなので、本作の主人公とは相性が良くなかったですね。

そういうわけで、ストーリー面はあまり好きになれませんでした。
たぶん本作を好きになれない人の多くは、この主人公と合わない人なんじゃないかなって思います。

とはいえ、こういうのは個々人の感性次第ですからね。
好みの問題でしかないので、当然気にならない人もいるでしょう。

他方で、ヒロインの理恵が少しずつ淫らになっていく過程は、アニメーションの効力と相まって良く出来ていたと思います。
可愛いキャラとエロい展開の両立は、ある意味アダルトゲームの永遠のテーマとも言えるでしょう。
本作はその点が良く出来ていた作品ということで、高く評価されるのも分かる気がします。

<評価>

総合ではギリギリ名作としておきますが、私の場合は主人公が合わなかった部分もあるので、その点が大丈夫な人は、もっと楽しめるように思いますね。

ランク:A-(名作)


ラブエスカレーター

Last Updated on 2024-12-24 by katan

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