『Re・Leaf (レリーフ)』は1998年にWIN用として、シーズウェアから発売されました。
過去の歴史にたらればを言い出すのは禁句なのかもしれませんが、それでも言い出してしまいたくなる作品でしたね。
<感想>
本作の原画はCARNELIANさんで、最近は作品も減りそろそろ馴染みのない人も出始めているかもですが、一時期は絶大な人気を有し、原画家としては頂点を極めたと言って過言でない方でした。
そのCARNELIANさんの作品としては、この『レリーフ』が2作目だったはずですが、1作目は癖が強かったこともあり、原画としての人気・知名度が増えたのはこの作品からだと思います。
それだけに、CGは抜群でしたね。
このゲームの他の面に文句を言う人はいても、当時CGのクオリティに文句を言う人は皆無だったのではないでしょうか。
それくらい突出していました。
ストーリーは大まかには伝奇ものになるところ、これは可もなく不可もなくってところでしょうか。
単体で面白いと言い切れるものでもないけれど、致命的に悪いわけでもなく、CGの良さも手伝って雰囲気は凄く良く感じられましたから、典型的な雰囲気ゲーに属する作品と言えるでしょう。
ここまでなら基本的には好印象となりますし、普通のノベルであれば名作と言う人も多かったと思います。
でも実際にはそうならなかった、つまり評判を地に落とした致命的な欠陥があったわけでして。
それは尋常でない数のバグと異常なまでの高難度の存在であり、プレイヤーの全てがクリアどころかまともにプレイすらできないような、そんな状況に陥ったのです。
今の人よりは昔の人の方がバグには寛容な気もするのですが、それでもこれはちょっと度を過ぎていたわけで、叩かれてしまうのも仕方なかったのでしょうね。
この年の作品における相次ぐバグにより、シーズウェアは一気に評判を落としていきます。
私もマイナスをせざるを得ないだろうということで、グラフィックの良さと相殺になり、結果としては佳作と判断しておきます。
それにしてもこのバグさえなければ、私個人だけでなく世間からも良作以上の評価を得ていたでしょう。
他が普通でも、絵だけで名作と言われるほどの勢いがありましたからね。
シーズは一時代を築いた原画家がいたわけであり、また少し前には菅野さんという、これまた一時代を築いたクリエイター・ライターがいたわけです。
たらればは禁句だろうし何の意味もないのかもしれませんが、それでも全盛期のCARNELIANさんと、全盛期の菅野さんが同じ時期にシーズで活動できていたら、そしてバグもなく普通にゲームが発売されていたら、もしかしたらシーズが天下を取り歴史を変えたんじゃないかと思うわけで、それが実現しなかったことが非常に残念でしたね。
ランク:C(佳作)

Last Updated on 2024-12-25 by katan
コメント
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この作品は、脅迫に続いて私に女主人公が襲われる(プレイヤーが襲わせる)話しも良いなぁ、と思わせてくれた作品で有り……
和風伝記で絵も音楽もシナリオも標準以上なのに、システム・インターフェイスがクソだったために全て台無しになるという得がたい経験をさせてくれた作品でしたね。
まず、満足に動かないのも論外でしたが、何より苦痛だったのが、多重周回前提の設計であるにもかかわらず、『即読スキップが無い』『メッセージ表示速度の変更が出来ない』と言う狂気の基本設計だったと記憶しています。
いや、本当に無理でした。クリアーが。
即表示じゃない、てん、てん、てんとしたメッセージ表示形式のゲームで、マウスクリック連打しながらプレイ進めるとか無理(笑)
原画も、それに合わせた塗りも非常に良いのに、システムが……プログラマーどもが……UI設計の無能さが……本当に惜しかったです。
結局、セーブデータ改造して見たんですよね、CGとイベントは。
シナリオ全貌がよく解らなかったんですが、プレイする気力は無かったです。
暗号化されたセーブデータでしたが、プレイするより解析した方が絶対に早いと思ってやった記憶があります。
そういえば、この時期は攻略不可能じゃ無いかってゲームのセーブデータが売買された時期でもありましたねぇ。
ゲームソフト自体の版権や、ゲーム内著作物の版権関係でもうリメイクする事は無いと思いますが……出来れば精鋭スタッフを結集してリメイクして欲しい作品です。
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シーズウェアは、菅野さんがいて、CARNELIANがいて、
時期はずれるけれど、シナリオに関して頂点を極め、
原画でも頂点を極めた時期があったブランドでした。
また、PS・SS・WINの出始めた頃から、
この98年頃までは、演出でも頂点を極めたといっても、
過言ではないように思います。
そういう意味では、様々な分野で、
力を発揮したブランドだったんですけどね。
だけど、結局はバグ、つまりはシステム面から崩れていったわけで。
ゲームの土台はやっぱりプログラムなんだなと示した、
代表的なブランドでもありました。
ゲームのセーブデータは、PC98の頃から幾つか買った記憶があります。
当時は秋葉原によく行ったので、いろいろ売っていましたし。
利用しなくなったのは、この頃くらいからですかね。
正確な時期は覚えていないけれど、
ノベルゲーが増えるにしたがい、
そういう店から離れていったように思います。
リメイクは難しいでしょうが、
98年のシーズウェアの作品は、魅力は一杯ある、
でも、そもそもゲームが満足にプレイできないんだよってのがあったので、
そういう作品こそ本当はリメイクしてもらいたいんですよね。
オリジナルの完成度が高い作品のリメイク版なぞ、
思い出が汚されるだけなのでやりたくもないけれど、
98年のシーズウェア作品ならば、
安全に最後までプレイできるだけでやりたくなります。