『転校生』は1995年にPC98用として、スペースプロジェクトから発売されました。
ジャストの天使たちの午後シリーズからも、「転校生」というサブタイのゲームが発売されていますが、今回は糞ゲーとして名高いスペースプロジェクトの方です。
(まぁ、天午後の方のも駄目だったんだけどね・・・)
<感想>
糞ゲーというのは少なからず存在するわけですが、私は大抵の場合買ったやつが馬鹿なんだと思います。
何でそんなの買ったんだよ、少しは見る目を養えよって思うんですね。
何でも楽しめる人なら構いませんが、そうでないならきちんと情報を調べて購入すべきなのです。
そうは言っても、頭では分かっているのですが、理性が麻痺するって場合もあるわけでして。
90年代のPC98でアダルトゲームをリアルタイムに楽しんだ人にとっては『同級生』・『同級生2』は絶対的存在で、「~生」って聞くと、他社のだろうと何だろうと期待したくなってしまうのです。
私は後に『発情生』まで買っちゃったぐらいですからね、
とことん麻痺していたんでしょう。
(ちなみに、『発情生』も違う意味でぶっとんでいます。
本作と『発情生』の両方をやれば、高い確率で新しい何かに目覚められるでしょうw)
まぁ、そんな感じでプレイし始めた本作。
見事な糞ゲーでしたw
つまらないゲームは他にもあるし、ライターに怒りを覚えたり眠くなったりするゲームも多々あります。
でも、プレイ時間が勿体無い、お前こんなことしてて本当に良いのか、時間をもっと他のことに有効的に使うべきではないのかと、思わず自分の人生を振り返らされるゲームってのは非常に稀で、ある意味得がたい経験をしましたよ。
ゲームジャンルは一応コマンド選択式のADVなのですが、出てくるのは基本的に1択で、たまに2択になります。
「起きる」「電車に乗る」「降りる」・・・って感じで、つまらない日常を延々と決定していくのです。
あまりに味気ないテキストに、クリック地獄。
しかも無駄に長いですし。
まさに拷問です。
ボリュームがないとかバグがあるとかでもなく、それでここまでつまらなく作るのも、ある意味才能なのかもしれません。
さて、一般的な視点からはどうしようもない駄作なのですが、実は、決して見所がないわけではないんですよね。
先ほどクリック地獄と書いたのは若干御幣があって、本作は当時では非常に珍しいオートモードがついていました。
だから、クリックせず見ているだけでも、進行は出来るのですよ。
この点は非常に進んでいたんですよね。
そうなると、クリック地獄という問題は解消され、本作は延々と女子高生の日常を眺めるゲームとなりますが、ここは気持ちの持ちようってものでしょう。
私は最近のアダルトゲームの共通ルートに多い、長くて平凡な日常シーンが苦痛に感じやすいです。
それ故に、本作の日常シーンの連続も苦痛でした。
でも、そういうのが好きっていう人もいるわけで、女子高生の日常生活を朝からずっと眺めていたい人ならば、或いは楽しめるのかもしれません。
ゲームは転校生である主人公のロストバージンを成功させることが、一応の目的とされています。
寝取られ、或いはプレイヤーの視点からは寝取らせとも言える展開であり、設定的には結構斬新な部類かとも思います。
中身がスカスカなので総合的には決して褒めることは出来ませんが、少し練りこんだら実は凄く面白いゲームになったんじゃないでしょうか。
今のゲームに通じるものもありますし、当時としては決してありふれたマンネリなゲームではないんですよね。
そう思うと、何気に結構勿体無い作品でもあったのかもしれません。
<評価>
評価はゲームの出来だけなら駄作以下でFとかGとなるのですが、斬新性や最強のクソゲーとしてネタにもなった話題性から、トータルでは凡作としておきたいと思います。
まぁ、でも、型にはまった優等生なゲームばかりでもつまらないですからね。
頂上を知っているだけでは全てを知っているとは言えませんし、平均ラインの安全牌ばかりでは飽きてくるでしょう。
何度もクソゲーと書いていてあれですが、本作には見どころもあることから、買ったこと自体は全く後悔していませんからね。
頂上を知って、なおかつ最底辺も知っている。
それによって見えてくるものもあるわけで、そういう意味では『転校生』や『発情生』は、毒にも薬にもならない並の佳作・良作よりも、よっぽど有意義な存在だったんですよね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-10-26 by katan
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