『プリズナー・オブ・アイス ~邪神降臨~』は1997年にPS及びSS用として、エクシングから発売されました。
オリジナルは1995年にPC用として発売された『Prisoner of Ice』で、本作はその日本語移植版になります。
<概要>
ゲームジャンルはポイント&クリック式(P&C式)ADVになります。
あらすじ・・・
1937年、イギリス軍による「ポラリス作戦」により南極大陸で発見された、凍りつけの「プリズナー・オブ・アイス」と呼ばれる怪物。
この怪物の兵器利用を企むナチス・ドイツ軍による攻撃が始まった。
アメリカ軍より依頼を受け主人公のアメリカ軍諜報部のライアン大尉は「ポラリス作戦」に参加し、潜水艦ヴィクトリア号に乗り込み南極へ向かい、基地でナチスや怪物と戦う。
<感想>
近年はsteamで洋ゲーが入手しやすくなったし、その中には日本語化されたものもあれば、有志による日本語化パッチが作られたりしたものもあるわけで、少しずつユーザーには良い時代になりつつあります。
まぁADVに関して言うならば、酷かったのはゼロ年代なのであり、90年代半ば辺りは結構移植されていたんですよね。
PCゲーがPCゲーとして移植される分には問題がなかったし、特にゲームバンクが移植する際には、パッケージやら付属品やらが非常に豪華で、持っているだけでも幸せな気分になれたものでした。
他方で、PCの洋ADVがPCではなく、ゲーム機にだけ移植される場合もあります。
その中には、結構有名な作品とか評価の高い作品もあったんですよね。
『Prisoner of Ice』もその中の一つであり、海外のサイトで存在を知って、面白そうだな~何とか手に入らないかな~とかって思っていたら、よく調べたら日本語化されているじゃないですか。
個人的には目を付けていた作品とはいえ、ディスクワールドのような有名な作品でもないですから、これには驚かされましたね。
内容的には、良く出来ていたのだと思います。
クトゥルー神話を扱った作品でもあり、今ではすっかりゲームでも馴染み深い題材ですが、当時はまだ珍しかったですし。
でも、やっぱりPCでやりたかったよなと。
本作は伝統的なP&C式ADVなのだけれど、このジャンルはPCでマウスで楽しんでこそですから。
ゲーム機のコントローラーだと、クリックの面白さが伝わりきらないのですよ。
他にも、解像度の問題でアイテムとか絵が潰れて見えてしまい、操作性が大幅に悪くなるとともに、迫力なども削がれてしまいますしね。
本作にしても、ブラウン管の画面で小さな点をクリックする必要があり、それはストレスにしか感じられないですからね。
もちろん洋ゲーの場合は翻訳とかの問題もあるわけで、『モンキーアイランド』なんかはその典型例なのでしょう。
しかし『マニアックマンション』以降、『モンキーアイランド』や、『ダークシード』『ディスクワールド』など、海外での超名作がことごとく日本で玉砕しているのは、根本的な所で、ゲーム機では面白さが伝えられないからなのだと思います。
<評価>
総合では佳作としておきますが、PCでプレイできていれば良作以上に感じていたでしょうね。
こういう作品が日本語でプレイできることは、自分がプレイする分には嬉しいことなんですよね。
でも、周りの評価とかも気にしちゃうと、ゲーム機への移植は大抵はオリジナルの発売より数年遅れますから、事情を知らない人は発売の時点でグラフィック等を古く感じがちだし、上手く移植できないから面白さも感じられないしで、どうしてもネタゲーの扱いを受けてしまうわけでして。
昔は洋ゲーを馬鹿にする人も多かったけれど、それは昔は質が悪かったからではなく、ゲーム機への移植に適さないPCゲーを下手に移植したということも、結構多いと思うのですよ。
世界的には名作と呼ばれる作品が、移植のせいでネタゲー扱いされてしまうのは、やっぱり残念だよなと。
作品として考えた場合、移植されない方が幸せなのかもしれません。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-12-11 by katan
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