『PersonA ~オペラ座の怪人~』は2012年にWIN用として、美蕾から発売されました。
乙女ゲーの老舗ブランドである美蕾の、現時点では最後となる作品ですね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・19世紀後半、フランス・パリのオペラ座。
そこはヨーロッパ中の歌手たちが舞台に立つのを夢見る場所。
しかし、オペラ座には怪人がいるという恐ろしい噂があった。
実力が伸びないことに悩んでいたオペラ座の歌手・主人公 クリスティーヌ。
そこへ、どこからともなく “美しい声” が語りかけてくる。
クリスティーヌはその “美しい声” に誘われるように、歌のレッスンを受け始めるが……
ここから始まるのは、オペラ座に集いし5人の男たちが繰り広げる優しくも狂おしい愛の駆け引きに、クリスティーヌが翻弄され誘惑される愛憎の宴。
それぞれの数奇な運命が重なり合い、切ない物語が繰り広げられていく。
ある者は一途に愛し過ぎたがために狂乱と妄執に身を染め、ある者は秘めたる想いを抑えきれずに快楽と束縛の虜となり、またある者は愛に惑わされ背徳と禁断の蜜月に堕ちていく。
「お前を誰にも渡しはしない――」
誰かの声が聞こえたような気がした――。
<感想>
本作は18禁の、いわゆる乙女ゲームになります。
2003年に初の18禁乙女ゲーを発売した美蕾の作品でもあるだけに、期待した人も多かったと思います。
もっとも、10年にわたり作品をコンスタントに提供してきた老舗の美蕾も、この作品以降は新作が発売されていません。
私は女性向けブランドの動向には疎いので、細かい事情は分からないのですが、もしかしたらこれが最後の作品となってしまうのかもしれませんね。
まぁそういう作品なので、人によってはいろんな思い入れがあるのかなと思います。
さて、そうした作品の外の事情を考慮するといろいろあるのですが、本作単独で考えるならば、良くも悪くも普通の作品だったのかなと。
美蕾が作るだけあって、基本的な品質は乙女ゲーの中でも優れた部類なのでしょう。
CGは相変わらず綺麗ですし、システム周りも良いですし、ボリュームもありますしね。
ただ、モチーフとなったオペラ座の怪人に引きずられて期待すると、何か微妙にイメージと異なる方向になったようでもありまして。
一番のメインとなるであろうはずのキャラが薄くて、サブキャラの方が厚く描かれた作品でもあり、そのアンバランスさも気になってしまいます。
<評価>
まぁ普通には楽しめるのですけどね。
上記の不満も大した不満でもありませんし、ここが致命的に悪いというわけでもないのだけれど、
特に大きな特徴もないですし、良くも悪くも普通の作品という印象でした。
おそらく美蕾だからと期待を大きくしていた人よりも、何も知らないでプレイした人の方が楽しめたんじゃないかな。
当初は記事を書くつもりもなかったのだけれど、男性向けでも老舗ブランドが実質的に終焉を迎えたりしていて、何だか淋しく感じることもありまして。
女性向けの老舗である美蕾も、もう新作は無理なのかな、もう一度何か出して欲しいなとか思ったものでした。
Last Updated on 2024-12-02 by katan