『誘惑』は2001年にWIN用として、ScooPから発売されました。
いわゆるおさわり系の痴漢ゲーになります。
<ゲームデザイン>
画面のあちこちをクリックするということで、一般的にはポイント&クリック式のADVとなるのでしょう。
もっとも、痴漢ゲーに関しては、「おさわり系」と表現した方が馴染みがある人も多いのかなと。
90年代の痴漢ゲー、おさわりゲーと言えば、ある意味インターハートの独壇場でもありました。
そのインターハートの代表作である悪戯シリーズを、仮にScooPが作ってみたらこうなった。
一言で表現するとScooP版の「悪戯」であり、良くも悪くもそれに尽きてしまうのかもしれません。
基本システムが悪戯シリーズと似ていますので、そう説明するのが早いのかなと思います。
<感想>
そのような構造の作品ですので、悪くいうならば2番煎じでもあるわけです。
しかし2つの理由から私は本作を購入したわけでして。
1つは極めて個人的理由で、毎年発売されていた悪戯シリーズが、2000年には発売されませんでした。
そのために、おさわり系にとても飢えていたのです。
もう一つは、むしろこっちが一番の理由なのですが、確かに悪戯シリーズはジャンルの基礎を作り、痴漢ゲーの黎明期を支えた大きな意義のあるシリーズだと思います。
面白いかはさておき、萌えともノベルとも縁遠い作品があるというだけで、息抜きというか気分転換になりましたから。
まぁ萌えノベルも好きですし、当時は今以上に楽しめてはいたのですが、さすがにそればっか続くと飽きますからね。
長くゲームを続けるには、こういう作品を間に挟んで変化をつけるのがコツなのですよ。
だから痴漢ゲーは好きなのですが、どうにも悪戯シリーズの絵は癖が強すぎまして。萌えノベルに出てくるような可愛い子におさわりしたいと、ささやかながらも常々思っていたんですね。
そこに出てきたのがこの『誘惑』で、可愛いアニメ絵のキャラに悪戯シリーズのシステムですから、これは待ってましたとなるわけです。
ちなみに、ScooPはPC98末期から活動し始め、当初はアニメーションが最大の特徴でした。
だからPC98時代からのユーザーだと、このブランドに対し良質のアニメーションを期待する人も結構いたでしょう。
とはいえ、WINDOWS化や作品を重ねるごとに、次第にそのアニメーション色は薄れていくのですが、それでも本作でも若干あります。
まぁ、本作ではオマケ程度ということもあり、長所とまでは言えないですけどね。
そのため古くからのScooPファンで、本作にアニメを求める人には、少し物足りなかったかもしれません。
もっとも、あのアニメはあれはあれで違う部分で足枷にもなっており、古くからのファンでもアニメは要らないって意見もありましたから、逆にアニメの量が少なくなったことを英断と捉えた人もいるでしょうね。
いずれにしろ、ブランド過去作より尖った部分も減ったけど、代わりにストレスとなる短所も減り、一般受けしやすくなったとは言えると思います。
<評価>
書くまでもないので省略しましたが、ストーリーは単純に痴漢をするだけです。
シナリオとかを求める人が楽しめる作品ではなく、あくまでも痴漢ゲー好きのための作品ですね。
ここら辺は同じADVという言葉でもノベルと全く方向性が異なりますので、楽しめる層も当然変わってきます。
特に目新しい要素もないので佳作としておきますが、上記のようにある意味念願が適った作品でもあり、主観的には評価以上に印象深い作品でした。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2025-02-24 by katan
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