LSD(エルエスディー)

1998

『LSD(エルエスディー)』は1998年にPS用として、アスミック・エースエンタテインメントから発売されました。

PS最高クラスの奇ゲーですね。

<感想>

本作は、プレミアでも話題になった作品で、奇ゲーだのプレミアだのと煽られると、私はどうしても気になってしまうのですが、そういう人は他にもいると思います。

でもプレミアがついたゲームは非常に高価なので、他人にすすめるにもすすめにくかったんですよね。
LSDもその中の一本だったのですが、今はアーカイブで、しかも600円でプレイできるみたいです。
そのため、そちらを利用すれば安価で遊ぶことができるようになり、とりあえず遊びたくても遊べない問題は解消されたようです。

もっとも、たとえどれだけ安かったとしても、このゲームは合わない人は全く楽しめません。
そういうゲームですので、まず何よりも自分に合うのかの判断を最初にすべきでしょうね。

さて、本作はドリーム・エミュレータと名付けられていますが、夢の中のような奇妙な世界をただひたすらさまようわけで、基本的には移動式のADVとなるのでしょう。

特に明確な目的やゲーム性があるわけでもないし、操作性とかもイマイチですしね、世界観に興味がもてない人はまるで楽しめないと思います。
だからどうしても人を選んでしまうのです。

でも、そういうゲーム部分の乏しさを帳消しにしてしまうのが、本作の世界観でもあるんですよね。
世界観の良いゲームというのもいろいろありますが、幻想的な風景であるとか綺麗な風景のADVってのは、海外のPCゲーを中心に当時は一杯ありました。
PSだと画質も粗くなりますし(RIVENのPS版では本当に涙しました)、同じ路線をPSでやられても評価に値しません。

その点、LSDはドリーム・エミュレータと名付けられているように、まるで夢の中のような光景が描かれていて、これは他のADVにはないよなという圧倒的な存在感があったのです。
画質はPCのADVよりも劣るのですが、場合によってはマイナスに作用しそうな画面の粗さや曖昧さが、夢の表現という曖昧な表現を描くのにはむしろプラスに作用していたわけで、これは凄いなと素直に思ったものでした。

制作した人は佐藤理さんと言って、『東脳』でデジタル・エンタテインメント・プログラムの、
作品部門最優秀賞を受賞した方でした。
奇ゲーの最高峰とも言える『東脳』を作った人らしい、いかにもって感じの作品でしたね。

<評価>

総じて、私はこれは凄いなとは思ったのですが、『東脳』ほどのインパクトはないと感じたことや、ゲーム性や操作性で物足りなさもあることから、最終的には良作にとどめておきたいと思います。

私の感想はそんなところですが、LSDの場合は万人に共通な明確な欠点はハッキリしていますからね。
あとはこの世界観に欠点を覆せるほどの魅力を感じられるか否かで、ゲームに対する印象はまるで変わってきます。
動画か何かで少し映像を見て、これはと惹かれるものがあれば買っても十分に楽しめるでしょうし、特に惹かれなければ、長くプレイしたからといって面白く感じるようになる作品でもないでしょう。
そういう意味では他人の意見より、まず己の直感を大事にすべき類のゲームだと思います。
まぁ何にせよ、こういうのがたまにあるから、PSのゲームはついつい手を出してしまうし、好きだったんですよね。

ランク:B(良作)


PSソフトLSD

Last Updated on 2024-12-22 by katan

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