PERSONA ~淫虐の仮面~

1996

『PERSONA ~淫虐の仮面~』は1996年にPC98用として、ソルシエールから発売されました。

ソルシエールのデビュー作であり、変わった設定の作品でしたね。

<はじめに>

ソルシエールは、主に90年代後半に活動していたブランドでした。
90年代後半というと、もうWINDOWSの時代だよなと普通は思うし、活動期間から言えばWIN95以降の方が長いのかもしれませんが、このブランドの主だった作品は96年頃に集中していまして。

つまり、主だった作品のほとんどはPC98時代の作品なのです。
だからWINDOWS初期にもゲームを出してはいたのだけれど、PC98の16色時代の方が持ち味が活かせていたように思うし、代表作の「ストレンジワールドシリーズ」をはじめとして、PC98時代のブランドという印象が強かったものです。
本作は、そんなソルシエールのデビュー作でした。

<感想>

舞台は宇宙ステーションの中であり、主人公は記憶喪失。
そして38時間以内に主人公が記憶を取り戻さないと、宇宙ステーションが爆発してしまうとのこと。
そこで3人の女医が、主人公の治療をすることになります。
とはいうものの、厄介なことに主人公は多重人格者でして。
条件が整うと、5つの別人格のどれかが突然現れてしまい、彼女らを襲ってしまうのです。

大雑把な設定はそんなところでしょうか。
後述するゲームシステムとも絡んでくるのですが、主人公にはパラメーターがあり、その数値により出てくる人格が変わります。
時間制限のある中で緊張感もありますし、設定的には面白そうにみえます。

ただ、如何せん、舞台が宇宙ステーション内部だけであり、しかも女医らの部屋を訪れて会話するだけなので、どうも見た目が単調と言うか、妙に圧迫されたような狭苦しさを感じてしまいました。

それと、上記の設定は表向きであり、本当の目的は別にあるのですが、その目的のためにここまでやるか的な疑問は少しあったりも。
まぁ、意外性というか、どんでん返しのようなものを狙ったのでしょうし、それが良いという意見もあるでしょうけどね。

<ゲームデザイン>

本作は、一般的にはADVに分類されるようです。
実際、やることは、どの女医を訪れるかを選び、会話するだけですからね。
構造的にはADVで良いのでしょう。

しかし、本作には時間制限と、細かなパラメーターの変動が伴います。
数値により展開が変わってきますので、常に数値に気を配る必要があります。
そのため、まぁギリギリADVとは言えるものの、本質的には育成・調教SLGなどの数値管理系作品が好きな人に本作は向いているのでしょう。

<評価>

何とも判断の難しい作品ですね。
ストーリー・ゲームデザイン・グラフィックなどを総合すると、他にはない独特の味わいと雰囲気がある作品でして。
その一方で、欠点と言うほどでなくとも、いろいろと足りない部分も多かったですからね。
ある意味デビュー作らしく荒削りな部分も多いのだけれど、光る部分もある作品であり、後のストレンジワールドシリーズへと続く、ブランドのカラーのようなものは示せたように思いますね。

ランク:C-(佳作)


PERSONA

Last Updated on 2024-11-22 by katan

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