猫侍

1999

『猫侍』は1999年にPS用として、ヒューマンから発売されました。

猫侍って何ぞ?と思ったら、そのまんま猫のお侍さんでしたw

<感想>

猫のお侍さんと言われても、何がなんだかって思うでしょうが、
厳密には猫又で、顔は猫だけど服着て二本足で立って、普通に話もする存在なのです。
これに時代劇というか江戸時代のお侍さんの世界観がミックスされ、他にはない独特の雰囲気を醸し出しているわけです。

そんな世界観ですので、とりあえず猫好きかつ時代劇好きは買っとけって感じですね。
もちろんどっちかが好きでも楽しめるかと思いますが、両方好きならまず間違いないでしょう。

独特な雰囲気を作りつつ、江戸時代の考証とかもしっかりしてるみたいで、基本的には評価に値すると思います。
ただ、比較的淡々と進行するので、ドラマ性のあるストーリーを期待しちゃうと肩透かしを食うかもですね。
それと、しっかりした時代考証、でも猫だからちょっと違うってのは、微妙に逃げたようにも感じちゃうわけでして。
逆に猫又の世界と考えても、これはこれで変に侍とミックスされてるものだから、枠に囚われた窮屈さを感じちゃうんですよね。
両方を混ぜて奇をてらったのは良いけれど、その結果、若干中途半端な印象になってしまいました。
どっちかに集中して、一部の人にでも熱烈に支持される作品を目指した方が、結果的には良かったんじゃないかなって思うわけでして。
そこら辺に作りこみの甘さを感じてしまいましたね。

システムは『下級生』みたいに、時間軸のあるマップ上を移動し、各地でイベントを発生させるタイプのADVでした。
世界観を感じさせるという意味では、このシステムの採用はマッチしていたと思います。
加えて、この手のゲームは恋愛物に多かったですからね。
いわゆるギャルゲーっぽいのが苦手なADV好きには、あまり馴染みのないシステムだったかと思います。
そういう層に自由度重視のADVを体験してもらうという点でも、本作は意義があったのではないでしょうか。
そのため、大枠では存在自体に意義があると考えられるのですが、恋愛物も含めた同系統のシステムと比べるとね、
新鮮さもないし粗もあって完成度も伴っていなかったと思います。

<評価>

総じて、着眼点は悪くなかったのだけれど、いろんな面で作りこみが甘く、結果としてやや中途半端になってしまった作品といった感じでした。
このゲームが2次元のキャラだったら、あるいは凡作扱いもしていたかもしれません。
しかし猫又という設定を用いた点を評価して、トータルでは佳作としておきたいと思います。

ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2025-01-07 by katan

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