『七英雄物語2』は1995年にPC98用として、姫屋ソフトから発売されました。
姫屋ソフトの代表作『七英雄物語』の続編であり、時系列的には前作の過去の話になります。
<概要>
ゲームジャンルはSRPGになります。
前作は18禁だったのですが、何を血迷ったか本作は一般指定になっておりました。
個人的には残念としか言いようがないのですが、そこはとりあえず置いておきましょう。
前作は、大戦後の一応平和が訪れた所から始まりました。
他方、本作は、時系列的には前作より先になります。
つまり、まだ戦時中ってことですね。
また、前作より前の話なので、前作を知らなくてもプレイに支障はありません。
もっとも、前作をやっていると前作キャラの過去がちょこっと分かるので、理解に深みが出てくるかと思います。
<感想>
前作は、村に集まった7人が村を守るというのが目的でした。
他方、本作では、子供たちを守ることが目的となります。
このシリーズの特徴でもありますが、本作に世界を救うといった壮大なストーリーはありません。
本作は、ただひたすら逃げ遅れた子供たちを安全なところに非難させるという、一見すると地味な設定です。
そこを個性的なキャラたちが盛り上げてくれるわけですね。
したがって、本作は、ストーリーに派手なものを期待する人には合わないでしょう。
しかし、その芯の通った設定に対し、ツボに来る人は意外といるのではないでしょうか。
必死に守った子供たちが、お礼に差し出してくれる数枚の僅かな貨幣。
そういったシチュエーションこそ、燃えるというものです。
付け加えるならば、前作は村を守るといいつつ舞台が広がっていきました。
そこに違和感を覚えた人もいたでしょう。
本作は当初の子供を守るという設定を貫徹しており、その辺でも印象が良かったです。
ゲームジャンルは、上記のとおりSRPGになります。
ほとんど前作と一緒ですね。
シンプルですが、ストレスなく楽しめると思います。
もっとも、今回は子供を守るという目的があります。
子供のHPは1なので、ダメージをくらうと即死です。
そこで、如何に攻撃をくらわないかを、常に考えなければ駄目なわけですね。
その辺が前作や一般的なSRPGとの大きな違いになるのでしょう。
それから、パズル的というか、詰め将棋的なマップがあるのも前作同様です。
前作でもそうでしたが、ここは好みが分かれるおそれはありますね。
パズルないし詰将棋的というのは、言い換えれば解法が限られているということです。
その解法が限られていることに対して、自由度が低いと捉えてしまうと、おそらく本作は楽しめなくなるでしょう。
逆に、詰め将棋のように1つの解法手順を見つけ出すゲームなのだと、切り替えて考えていれば、きっと楽しめるように思います。
<評価>
総じて、前作同様良く出来た作品でしたね。
特に欠点もなく十分に楽しめますし、少なくとも良作と言えるでしょう。
ただ、本作が一般作であることも含めて、もう一押しが足りなかったようにも思えるわけで、個人的には名作には一歩届かずってところでしょうか。
本作は、一般的なSRPGと雰囲気を異にします。
そのため、一風変わったSRPGを求めている人には、このシリーズはオススメだと思いますね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-07-31 by katan
コメント
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なつかしい… 七英雄物語
当時前作も2もやりました。
当時からSRPGが好きだったので
これの評価自分は高目です。
例のごとく細かいところは再プレイしないと
忘れてます。 ←なんとかして~ 若年性健忘症?笑
最近良作のSRPGって巡り会ってないですね…
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こんにちは、コメントありがとうございます。
2作ともやったって人は結構多いですよね。
発売間隔が近いこともあるでしょうが、それだけ初代に満足した人も多かったのでしょう。
細かいところは、私も駄目ですねw
ドラマでもアニメでも、一番感動したはずのラストとかすっぽりと忘れてきてますし。
何とも困ったものです。
一応、世間では今年も良作と言われるSRPGは出ているみたいですけどね。
ただ、字面からは範囲の広そうなジャンルですが、実質的にはタクティカルコンバットシステムに成長要素を加えたものという、SLGの中でも一部分を取り出して特化した極めて狭いジャンルですからね。
90年代前半にシステムを発展させ、半ばから後半にかけてストーリーの良いのが出たあたりで、ジャンル的にはもう発展性はなくなったように思います。
あまり好きな言葉ではないのですが、今風に言えばオワコンってやつなのでしょうね。
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これまた懐かしいですね。
序盤とED、バッドENDは覚えていますが、
中盤はすっかり忘却の彼方です(笑)
前作は結局ストーリーが壮大になってしまったのが
残念でしたが、今回は最後まで変わらなかったのが
良かったですね。
システム面は前作と基本的に変わっていなかったので
やりやすかったのですが、主人公が終盤になるにつれ
戦闘面で頼りにならなくなるところまで同じにしなくても
良かったのにと思いながらプレイしていたのが
記憶に残っています(笑)
名作とまではいかなくても良作ではありましたね。
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こんばんは、コメントありがとうございます。
壮大な方が支持されやすい面もあるかもしれないですが、安易にそういう方面にもっていかず、この作品ならではの持ち味の追求に徹したあたりは良かったですよね。
だから良作だなとは思ったのですが、システム面は仰る通りですね。プレイがしやすいのも良いことなのでしょうが、私なんかは変化を好む方ですので、もう一捻りがあれば、名作と言っていたかもしれませんね。
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良作でしたよ、これ。
でも私が「いいな」と思う作品は売れないから不思議です。
男性ユーザーじゃなからでしょうかね。
姫屋ソフトは全買してました。
バクタとかアッシュとかよかったなぁ。。。
ヒットを狙わずニッチを選ぶ作風でしたね。
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姫屋ソフトはいろいろと方向性を変えてきていましたからね。
同じことをせず新しいことに挑戦しようとする姿勢は私は好きだったのですが、世間一般で言えば少数派なのでしょう。
多くの人は変わらず同じものを望む傾向があるみたいですし、姫屋は作品ごとにファンはついてもブランドにはファンがつきにくいところだったのではないでしょうか。
それとこの2に関しては、18禁指定がなくなったのが大きいのかと。
この頃は一般ゲーってだけで急に見向きされなくなりましたから、作品の良し悪しは関係なしにヒットはしないのでしょう。
95年は一般PCゲーの面白いのが一杯あった年でしたが、どれもこれもマイナーになってしまい受難の年でもありましたからね。