Ms.DETECTIVE ファイル#1 石見銀山殺人事件

1992

『Ms.DETECTIVE ファイル#1 石見銀山殺人事件』は、1992年にFM-TOWNS用として、データウエストから発売されました。

データウエストといえばDAPSですが、そのDAPSを実写に用いたのが本作でした。

<概要>

ゲームジャンルはポイント&クリック式ADV、あるいはインタラクティブムービーになります。

探偵である主人公の樋渡千里は、依頼者から失踪した父親の捜索依頼を受けます。
依頼者への手紙から、父親が島根県大森にある石見銀山にいることを知り、現地へと向かうものの、会うことはできませんでした。
そこへ舞い込んできたのは、父親の死と依頼者の失踪の報。
日本海に浮かんだ死体は本当に依頼者の父親なのか、また依頼者はどこに消えたのか。
主人公は真実を求め動き出す・・・という感じの作品になります。

<総論>

今では動画と音声をPCで見ることは、ごくごく当たり前のこととなりました。
でも、昔から当たり前というわけではなかったのです。
動画と音声を同期させるだけでも大変で、ムービーあり音声ありのゲームがあったとしても、上手くシンクロさせることができなかったり、滑らかに表示させることができなかったんですよね。
それを可能にした最初のPCゲームがデータウエストの作品であり、それを可能にしたシステムがDAPSだったのです。

DAPSを用いたADVとして一番有名なのとなると、おそらくサイキックディテクティブシリーズが該当するのでしょう。
そのサイキックディテクティブシリーズは二次元の絵であり、DAPSにより滑らかなアニメーションを実現していました。

そしてそのDAPSを実写に用いた最初の作品が、本作ということになるわけですね。

<感想>

まずは、TVドラマを見ているようなゲームを体験できるということで、それだけでも衝撃的な作品と言えるのでしょう。

まぁ画面とか小さかったので、個人的には物足りなくもあったんですよね。
だから実写ゲーの初期の作品には私は割と辛めで、高く評価する作品が出てくるのはもう少し後になるわけですが、もちろんそれが気にならなかった人もいるでしょう。
そういう人にとっては、本作は本当に衝撃的な作品だったかと思います。

それと、本作の舞台は石見銀山であり、実際に現地に行ってロケをしてきたとのこと。
こういうのは貴重ですよね。
プレイ当時は観光気分で楽しむことができますし、何年も経った今では、その当時の景色を堪能できる貴重な資料にもなりますから。

さて、実写が動くというだけでも意義のある本作ですが、ADVとしては少々問題もありまして。
この手の作品でよくある問題でもあるのですけれど、行動により同じ動画を何度も見せられると、どうしてもテンポが悪くなり、だるくなってしまいます。
画面が小さいこともあり、ちょっとずつストレスが溜まり、プレイ意欲が次第に削がれていってしまうのです。
まぁ、新しいジャンルだけに仕方ないのでしょうが、まだまだ未成熟だったということなのでしょうね。

<評価>

新時代のADVとしてのワクワク感と、実際にプレイしたときのジャンルとしての未成熟さ。
その天秤に対してどう判断するかで、本作に対する印象も変わるのでしょう。

ゲームとしての完成度は高くないけれど、新しい可能性を夢見させてくれたという点では、とても意義のある作品だったように思いますね。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-08-25 by katan

タイトルとURLをコピーしました