百舌鳥ノ贄

2000

『百舌鳥ノ贄』は2000年にWIN用として、あんくから発売されました。

ストーリー性の高さと、えげつない鬼畜さが特徴の作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

商品紹介・・・
大正時代という浪漫香る舞台で、復讐に燃える主人公の凌辱劇が繰り広げられるAVG!!
復讐に燃える主人公が狙うのは、仇敵の掌中の珠である美しい令嬢達。
いずれ劣らぬ花を無惨にも奪い、汚し、散らかすのだ!!

<感想>

ストーリーとしては自分の家族を滅茶苦茶にされた主人公が復讐を誓う、復讐モノと言うのが分かりやすいでしょう。
アダルトゲーム市場での分類的には凌辱モノになるのでしょうが、目的はあくまでも復讐であり、凌辱はその手段にすぎません。

凌辱でエロを強調しすぎると、復讐という目的が弱くなり、ストーリー全体がぼやけてしまう傾向があります。
しかし本作の場合、復讐するという部分が気持ち良いほどに徹底していて、だからこそ違和感なくえげつない鬼畜シーンに繋がるのです。

さて、近年は鬼畜系作品というとストーリーが弱いものばかりでしたが、単にエロだけよりエロ+良いストーリーを望む層もいるでしょうし、現にそういう作品は少ないながらも評価されているように思います。

そうしたストーリーと凌辱要素の両立を図る作品は、10年くらい前の作品の方が多かったように思うのですが、本作もまたその中の1本で、コンセプトもしっかりしているし、描写も丁寧になされているので、安心して楽しむことができました。

鬼畜系の作品が好きならば、本作をプレイしてまず間違いはないでしょう。
2000年前後は鬼畜系の良作が豊富だったイメージがあるのですが、本作もまたその代表作の一つと言えるかと思いますね。

ただ、こういう筋の通ったダークな作品は本来はかなり好きなのですが、私はイマイチ楽しみ切れなかったのかなと思ったりもするわけでして。
本作は章ごとに進むのですが、基本的に1章で1人に復讐を果たします。
途中までは凄く楽しかったのですが、章が進むごとに次第に単調に感じてきたんですね。
私がハマリきれなかったのは、おそらくその辺に原因があるかと思います。

それとEDの弱さですね。
ライターは基本的に文章力がかなりある人だと思うのですが、何故に最後の最後で、こうもあっさり終わってしまったのか。
個々の部分では光るものが多いのに、全体的な構成やバランスに難があった作品って感じでしたね。
いくらでも化けようがあっただけに、そして実現できるだけの力も十分にあったと思えるだけに、非常に惜しかったです。

また、本作は舞台が大正時代であり、作品内でもその雰囲気が良く描かれています。
グラフィックも雰囲気が出ていたし、現代風とセピア調の2種類からCGを選ぶことも出来ます。

そういう意味ではグラフィックのポイントも高いのですが、肝心のキャラデザに癖がありすぎでした。
題材が題材だけに変な萌絵よりはよっぽどマシかとも思いますが、そう考えたとしてもあまりにもショボくってね。
たぶん、この絵を見て敬遠した人も結構いるのではないでしょうか。

<評価>

光る部分も多いですし、その部分だけなら名作級ではあるのですが、凌辱系なのに音声がないとか、絵がショボイとか、やや物足りない面もありましたので、総合では良作にとどめておきたいと思います。

なお、本作にはバージョンが幾つかあります。
これまで述べてきたオリジナル版はこちらですね。

百舌鳥ノ贄

次に出たのがこちらの『百舌鳥ノ贄 音声収録版+外伝』ですが、音声が追加されて外伝も収録されています。
また絵も可愛くなっていますので、最初からこれが発売されていればと思うと勿体無いですね。

百舌鳥ノ贄 音声収録版+外伝

一応、その後リメイクされた最新版がこちらの『MOZU』になります。
が、またちょっと絵に癖がある感じですね。

私のようにオリジナルにこだわる人や復讐劇としての雰囲気の良さを重視するなら1つ目、とにかく最新版がやりたいなら3つ目、音声は欲しいけど可愛いキャラが良いのであれば、2つ目ってところでしょうか。

ランク:B(良作)

百舌鳥ノ贄

Last Updated on 2025-01-17 by katan

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