『Monkeys!!』は2021年にWIN用として、HARUKAZEから発売されました。
同ブランドの完全新作としては、『ノラと皇女と野良猫ハート2』以来ということで、気になった作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
男子校に通うヤンキー主人公・猿吉は、ジュリアという名で、お嬢様女子校に通うこととなる。
なぜか! 廃校寸前の男子校を、救うためである!
猿吉の通う男子校の隣町には、超・お嬢様女子校『硝子ノ宮女子』がそびえたつ。
この「超・お嬢様女子校」と共学化することが、男子校の唯一の生き残り策だと知った猿吉は、名家の令嬢・月島カラスの手を借り、仲間たちと過ごした思い出の母校を守るため、単身、お嬢様女子校に通い、男子のイメージアップに挑む!
果たして女子を知らない猿吉は、お嬢様との交流を通して「女子を理解」できるのだろうか!
また、男子を知らないお嬢様たちは、猿吉との交流を経て「男子を理解」できるのだろうか!
ヤンキーの強みを最大限活用し、ドンドン女子たちの問題を解決していく主人公に、お嬢様たちは少しずつ恋心を抱く!
一方で、ドンドンお嬢様度が増していく猿吉に、男子たちもハラハラドキドキ!?
お嬢様女子校を舞台に、男女の相互理解を目指すドタバタラブコメディ!
<感想>
シナリオ担当のはとさんについては、前年に一PC般ゲーが発売されていますが、このブランドの完全新作としては4年ぶりになるのですね。
このライターの作品は、個人的にアタリハズレがかなり激しいのですが、『ノラとと2』は面白ったので、本作にも期待したというところです。
本作では漫画風の演出がなされており、それが効果的に使われていました。
マルコの時は、演出に疑問が生じてしまっただけに、ここは嬉しい誤算でした。
ただ、この演出が前半には頻繁にあるのですが、後半に行くほどに次第に減っていくようで、ちょっと残念でした。
それでも、テキストとこの演出が組み合わさることで、ゲーム前半は、今年一番かと思うくらい非常に楽しめました。
問題は後半ですね。
本作に対し、たとえば女装潜伏ものというように、あらすじを見て興味を持った方もいるでしょう。
しかし、そうした定番ジャンルとしての面白さは本作にありませんので、女装潜伏ものとしての面白さを期待した人は、おそらくガッカリするのでしょう。
外側が何であれ、結局いつもの「はとゲー」なんですよね。
良くも悪くもはとさんらしいストーリーであり、ライターファン向けの作品といえるのでしょう。
ただ、そうなってくると、どうしても過去作との比較になってしまいます。
そして本作は、全体のボリュームが少ないこともあり、過去作より劣って見えてしまいます。
また、本作はルートロックをかけているのですが、ラストとなるメインになるはずのシナリオが微妙なので、クリア後の印象が薄くなってしまいます。
どうしてメインがあんなにグダグダになっていったのか、どうしてあえてルートロックをかけたのか、疑問が残ってしまいます。
<評価>
このライターの作品は、酷評したり絶賛したりと上下の変動が激しく、いつもやってみないことには分かりません。
本作の場合は、ややこしいことに、作品の前半と後半での落差が激しくなっています。
その落差をどう評価するかにより、作品全体の評価も大きく変わってくるのでしょうが、個人的には前半の楽しさを高く評価して、ギリギリ良作とします。
作品のクオリティが安定しないのが難点ではあるものの、良い作品を作る力はあると思うだけに、次作には期待したいところですね。
Last Updated on 2024-08-06 by katan
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