メタモルファンタジー

2001

『メタモルファンタジー』は2001年にWIN用として、エスクードから発売されました。

一般層受けという観点からは、同ブランドの出世作となった作品になるでしょうか。

<概要>

ゲームジャンルは、育成SLGになります。

あらすじ・・・
魔女や妖精や奇妙な生き物達が共存する魔法の世界、アンゴルノアが舞台。
そんな魔法世界で憧れナンバーワンの職業は、「魔女っ娘」と「使い魔」!
私立聖泉エンゲル魔法学院はその魔女っ娘や使い魔のプロを養成する専門学校。
そこに転入生がやってきた。彼の名前はハタヤマ・ヨシノリ。人間ではない。
見た目は、ただのぬいぐるみ。
ハタヤマくんは「人間になる魔法」を使いこなして、人間の女の子とエッチしたいらしい。
そんな彼があらゆる生き物に変身できる禁断の魔法「メタモル魔法」を習得してしまったから大変!
でも人間になるためには本当の魔法「愛」が必要だったりするんだけど…。

<エスクード>

エスクードのデビュー作は1998年の発売になります。
初期の作品は、名前は知っているものの、私はプレイしていませんでした。
このブランドが最初に注目を浴びたのは、2000年に発売された『流聖天使プリマヴェール』になるのでしょう。
『流聖天使プリマヴェール』は調教SLGであり、調教SLGが大好きだった私は、それで知ったのでした。

とはいえ、『流聖天使プリマヴェール』の評価というのも、実は難しいものがありまして。
というのも、この作品、調教SLGのゲーム性を重視する人からは、絶賛されたんですよね。
それで私も知ったわけですし。
他方で、『流聖天使プリマヴェール』には、音声がありませんでした。
確かに、2000年のエロゲ全体だと音声なしも一杯ありましたし、ノベルゲーだと音声がなくても全く問題ない時代でした。
しかし、調教SLGは、早くから音声が付いており、音声の恩恵が存分に発揮されていたジャンルだったのです。
例えば『虜』(1996)が良い例ですが、ヒロインを鞭で叩くとその痕が残り、その際にヒロインの絶叫が聞けるわけです。
このインパクトは絶大でした。
好きな娘の絶叫が聞けるというS心を満たす魅力が、調教SLGにはあったのです。
そのゆえ、当時、基本的に音声はなくてもOKだった私ですが、調教SLGだけは音声が欲しいと思っており、『流聖天使プリマヴェール』はゲームとしては秀逸だけれども、全体としては物足りないという印象を抱いておりました。

その次に発売されたのが、『とびっきりRUIN』でして。
これは個人的には結構好きな作品ではあったのですが、扱っている題材がニッチすぎるので、どうしても埋もれやすい作品だったと思います。
私みたいな人しか、プレイしなさそうですしね。

<感想>

そして、その後に発売されたのが、本作でした。
本作は、魔女っ娘もので、育成ものでして。
しかも音声もありということで、ターゲットを初心者や一般受けする方向にかえてきたなと、そんな印象を受けたものでした。
実際、その戦略が当たり、ライト層からの評判は良かったようで、この作品でエスクードを知った人も多かったのではないでしょうか。

設定とかもしっかりしていますし、触手が出てくるけど従来の触手作品が暗い作品ばかりなのに対し、本作は明るい路線だったりする等、玄人的観点からも見どころはあったように思います。

ただ、個人的には、あまり楽しめませんでした。
そもそも魔女っ娘ものがそれほど好きってわけでもないので、『流聖天使プリマヴェール』や『とびっきりRUIN』がなければ、私がこの作品に興味を持つこともなかったように思います。

私の好みは一旦置いておくとしても、上記のとおり、本作には育成SLGパートがあります。
本作は、この部分が単調で、それで楽しみ切れなかったのです。
今は育成系の作品はほとんどないですが、90年代は調教SLGの名作がいくつも発売されていますし、CSとかで育成系の凝った作品もいくつも発売されていたので、後発かつシンプルで工夫のない本作は、やはり劣って見えてしまったのです。

<評価>

というわけで、本作に対する私の評価は、どうしても低くなってしまい、総合でも佳作とします。

ただ、これは私が、本作の意図する対象ではなかっただけなのでしょう。
例えば私の大好きなアリスソフトが『ぱすてるチャイム』を発売した時、なんでこんなゲーム性もストーリーも薄い作品を出したのかと、アリスに対してガッカリしたことがありました。
しかし、濃い方向性を進んでいくと、既存のファンは満足しても、新規ユーザーの開拓につながりません。
『ぱすてるチャイム』は初心者や新規ユーザーを獲得する観点からは、ブランドにとって必要な作品でした。
それと同じことです。
私には『メタモルファンタジー』は軽すぎて物足りませんでしたが、エスクードが新規ファンを獲得するためには、『メタモルファンタジー』は必要だったのです。
20年経った今もなおエスクードが頑張れているのも、この作品があったからこそと言えるのではないでしょうか。

ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2025-02-27 by katan

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