『大悪司』は2001年にWIN用として、アリスソフトから発売された戦略SLG+ADVです。
後にアリスを代表する大~シリーズの最初の作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルは戦略SLG+ADVになります。
あらすじ・・・「よし…帰ってきたぜ…」俺の名は『山本悪司(やまもとあくじ)』。
このオオサカ市を管理する地域管理組合わかめ組の幹部だ。
ウィミィとの戦いが激しくなって行く中、民華さんにいいトコ見せるつもりで行った戦地があんな修羅場だとは、思いもしなかったぜ。おかげで帰って来るのに3年もかかっちまった。
敗戦国の捕虜っつーのになってなかったら、もーちょっと早く帰って来れたんだが…
ところがだ、組に帰ってみれば、ワケ分からんヤツが組の敷居をまたいでいるわ、蘭のヤツが組のトップにいるわ…。
なんでも、‘組織のトップは女がならないといけねぇ’なんてウィミィの指導方針らしいが、組に‘恩を仇で返した’事にはちげぇねぇ。
一発かましてやろうとしたんだが、帰ったばかりで本調子でない俺は逆にのされちまった。
んで、どこか別のところへ捨てられた俺は‘ミドリガオカ青年奉仕団’って所へ連れて行かれたんだ。
この青年奉仕団っつーのはどうやら、例のウィミィの政策のせいで、わかめ組で内部争いが起きちまって地域管理の方が疎かになっちまったんで、新たに作られた組織らしい。
…ちょうどいい。俺は青年奉仕団の女達をこまして、俺の根城にする事にした。
みてろよ…元々ここは俺のシマだったんだ。好きにさせてもらうぜ。
<総論>
『鬼畜王ランス』が発売されてから5年。
その間にもアリスソフトからは数多くの名作が発売されました。
しかし『鬼畜王ランス』のような、ストーリーやキャラもしっかりしている戦略SLGはありませんでした。
アリスファンの誰しもが思ってたのではないでしょうか。
あの、鬼畜王の興奮をもう一度と・・・
『大悪司』は、ランスシリーズの続編ではありません。
しかしながらそれでも鬼畜王以来の戦略SLG+ADVということで、発売前からかなり期待したものです。
そして、実際にプレイしてみても間違いなく傑作と呼べる出来でした。
もっとも、後述するように、若干方向性が鬼畜王と異なります。
そのため、鬼畜王路線を望んだ全ての人が納得したとは言えないかもしれませんが、それでも、おそらくほとんどの人が鬼畜王の再来として満足したのではないでしょうか。
最近ではどのジャンルにおいても、ストーリーやキャラを重視したゲームが増えてます。
SLGも、もちろん例外ではありません。
ただ、SLGと言ってもいろんな種類があります。
もっとも、その中でストーリーやキャラを重視したSLGとなると、いわゆるシミュレーションRPGばかりな気がしませんか?
戦略SLGの中で探すとなると、それだけでも数がかなり減ってしまいます。
そのため、鬼畜王の再来を望んだアリスファンだけでなく、戦略SLG+ADVといったストーリーやキャラに重点を置いた戦略SLGを望んでいたユーザーにとっても待望の作品であり、新世紀(2001~)以降のSLGを代表する作品だったと言えるのではないでしょうか。
<感想>
さて、少し中身を見ていきますが、戦略SLG+ADVと書くとややこしいかもだけど、基本は国取りの戦略SLGで、そこにストーリーやキャラとのやり取りという、ADVの要素が多分に導入されたものと考えればいいでしょう。
ゲームは戦略SLGとしての自由度の高さに加えて、ADVとして多数のキャラとのフラグやイベントをこなしていくため、かなりやる事が多くなります。
それを考慮した上でのゲームバランスになっているので、ADV部分は無視してSLG部分だけ楽しもうって人にはぬるく感じられ、あまり面白くないかもしれませんね。
各種イベントをこなしながらも統一を目指しての侵攻を両立させる事が、このゲームの楽しみ方でしょうから。
やった人は解ると思うけれど、『鬼畜王ランス』なんかは戦略SLG+ADVとは言っても、SLG部分は戦略に特化しており、内政とかの経営部分はバッサリと削られていました。
鬼畜王の場合には、おかげでいたずらに複雑化しなくてすんだともいえますけどね。
『大悪司』も一見すると似ているようですが、実は結構違います。
鬼畜王にあった戦略SLGとしての自由度はほとんどありません。
そのため、国取りの自由度を求めた人には、そこが不満ともなるでしょう。
そのかわり、娼館を経営したり金銭面のやり繰りが結構大変なんです。
つまり、鬼畜王であまり気にする事のなかった、経営面の比重が意外と大きいのです。
むしろ、経営SLG+ADVと言った方がしっくりくるかもしれません。
したがって、経営SLG好きはかなり楽しめる気がします。
それから、ランスシリーズほどの歴史はないけれど、ストーリーやキャラも結構揃ってます。
仲間を増やす過程で、コーギー好きな自分はコーギー軍団を作り、あまりの弱さに涙したのも今では良い記憶ですねw
キャラに関しては、岳画殺のインパクトが強かったです。
<評価>
総合でも文句なしに名作といえるでしょう。
あとはもう、プレイした人が何を重視するかでしょうね。
『鬼畜王』そのものを求めた人には、きっと不満もあったでしょう。
でも『鬼畜王』と違う方向性を見せたって事は、言い換えればオリジナリティが高いってことなわけですしね。
経営SLG+ADVの傑作なんて、皆無に近かったですし。
そう考えると、本作の存在価値はますます上がるのかもしれません。
最後に、本作を公式通販で購入すると、LSIゲームの「殺ちゃん 滅殺ウィミィ兵」が付いてきました。
単純なゲームですが、LSIゲーム自体が懐かしかったのと、ちょっとした待ち時間とかにプレイするのにちょうど良かったので、実はかなりプレイしていました。
少なくともプレイ期間という意味では、実は本編より長い間楽しんでいた作品だったんですよね。
ランク:AA-(傑作)
Last Updated on 2025-02-20 by katan
コメント
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個人的に、アリス作品の中でもトップ5に入るゲームだと思っています。
天下の名作だった鬼畜王の後継ソフトであり、同時に最高峰だったと思います。
鬼畜王でも戦国ランスでもばっさり省略されていた内政面もちゃんとやる必要がありますが、序盤の財政ピンチの際には救済措置が何度かありますので、そんなに苦労することはないですね。
後半になればもう左うちわでお金使う放題ですし。
それとエロ面ですね。
ともすればアリスは、こうした大作系ゲームの場合、ゲーム性や娯楽性を重視しすぎてしまい、エロゲでありながらエロが薄い面があるんですが、大悪司はけっこうエロも濃かったですしね。
最初から周回プレイを意識した作りになっていて、二回目以降はシナリオも変化しましたし、やり込み要素もけっこうあって何度もプレイしました。
問題は、設定面や難易度の敷居がやや高くて一見さんはけっこうつらかったのではないか、と。
なんせ初回プレイではメインヒロインである民華さん攻略がいちばん難しい作りになってるもんで、これは何とかして欲しかったかな。
最初は喜久子ちゃんがいちばん易しかったですかね。
でもキャラは立ちまくってるしストーリーもけっこう燃えるものがありましたし、アリス謹製の地域制圧SLGの集大成ということもあって、私は大好きでした。
しかし残念ながら、これに続く「大」シリーズが軒並み……。
そういう意味でもアリス代表作だと思ってます。
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> 個人的に、アリス作品の中でもトップ5に入るゲームだと思っています。
自分のを数えてみたら、5番目タイでした。
> 大悪司はけっこうエロも濃かったですしね。
陵辱色が強かったので、大作の中では結果的に異色な存在でしたね。
大シリーズは単体で考えるなら、どれもそれなりに楽しめたのですけどね。
ランクを見て分かるように、私も大悪司と他とではかなりの開きがあります。
そういう意味では、作品ごとに下降していっているのかなと。
それが分かっているから、大帝国発売前にはさほど期待もしていなかったのですけど、あれ何で発売前に異常に盛り上がっていたんですかね?
今でもそれが不思議でならないわけで。
異常に皆期待して、それで落胆していっているような・・・
大シリーズっていつのまにそんなに人気が出ていたんだ?と不思議に思ったものです。