『魔薬』は1998年にWIN用として、FLADYから発売されました。
今で言う催眠・MC系ジャンルの先駆けみたいな作品ですね。
<概要>
商品紹介によると以下の通り。
「試薬研究中、助手の女生徒が突然発情した牝と化してしまった。
偶然にも作り出してしまったとんでもない代物。
学会に発表すれば富や名声が手に入るようなものだった。
しかしこれはオレだけのもの。オレだけの為に使うんだ。
黒い欲望が心を支配してゆく。」
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
<感想>
高校の化学教師を務める主人公が、偶然強力な媚薬を作ってしまったと。
それでその薬に『魔薬』と名付け、次々と生徒に手を出してしまうという内容になります。
ストーリー自体はいたってシンプルで、大半はHシーンです。
いわゆるおかずゲーないし抜きゲーですね。
催眠とかMC系の作品は、今では1つのジャンルとして認知され、好きな人も多いと思います。
これらの要素を部分的に用いた作品は古くからあるかもしれませんが、商業のアダルトゲームで、しかもそれに特化した作品となると、この作品が元祖か、そうでなくても準じる時期の作品だったと言えるのでしょう。
とりあえず、このジャンルの注目されるきっかけになったということで、ここでは先駆けとだけ書いておきます。
本作の場合は媚薬ですが、薬でも催眠でも何かしらの力を利用し、多くのヒロインらに好き放題する、例えリアリティ完全無視な設定であっても、誰しもが持ちそうな願望を正面から描いたくれたことは新鮮でしたね。
何本もやっているとご都合っぽく感じてしまうので、後続の作品には改良が求められるのですが、本作の段階では新鮮さの方が勝り、単純に楽しめたものです。
また、本作は無理やりやるわけですから、陵辱系の作品でもあります。
ただ、媚薬というワンクッションを置き、それに記憶が残りつつ主人公になびいていくということで、内容的に後味が悪くならずにすんでいます。
個人的には後味が悪くても平気ですし、この点に関してはむしろ否定的な立場なのですが、こういう要素により陵辱系が苦手な人を取り込むことにもつながったのでしょう。
エロテキストの良し悪しは私にはよく分からないのですが、ここも評判が良かったように記憶していますし、生徒だけでなく人妻・教師など幅広い層が対象だったのも良かったですね。
単純なノベルゲームなのでゲーム性はないに等しいのですが、その分ストレスも少なかったのかなと。
抜きゲーはそれでも良いのかもしれません。
もっとも、キャラを選択するシーンは、対戦格闘ゲームのキャラクターセレクト画面風になっており、そういうアレンジは楽しくて好きでしたね。
また、抜きゲーということもあり、女性はフルボイスです。
この点も良かったですね。
ただ、キャラデザは、ちょっと癖があり、個人的にはあまり好きではありませんでした。
<評価>
総じて当時の抜きゲーとしては、かなり優秀だったのかなと。
それに加えてジャンル的にも珍しかったことから、新鮮さもありましたしね。
そもそもこういうジャンルが合わないとか、或いは抜きゲーにもストーリーを求める人でなければ、比較的多くの人が楽しめる良質な作品だったのかなと。
特化系の抜きゲーは、今プレイしたらという視点では、基本的には最新のゲームをやった方が良いのでしょう。
あえてやって欲しいという作品でもないですし。
しかし、ジャンルの先駆けとなった作品でもありますので、原典に興味があるっていう人であれば、今でも試す価値のある作品のように思いますね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-12-29 by katan
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