『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』は1997年にPS用として、ガストから発売されました。
後に続くシリーズの第1弾になります。
<感想>
当たり前のことかもしれないけれど、創作の世界ではプラスとプラスを掛け合わせても、必ずしもプラスにならないわけでして。
たとえば私はRPGが大好きで、同時に恋愛ゲームも大好きだったりします。
じゃあ恋愛RPGになれば最高かというと、必ずしもそうでないわけです。
まだ単一のキャラとの恋愛なら良いのですが、恋愛SLGのような複数キャラの攻略とRPGのシステムをかみ合わせることが、非常に難しかったりするのです。
そのことを96年に嫌というほど味わったのですが、似たような経験を97年にも繰り返してしまったのです。
くどいようですが、私はRPGが好きです。
また『無人島物語』シリーズに見られるような、アイテムを合成していくSLGも大好きでした。
両方をプレイしているとね、ふと思うのです。
だったらアイテムを合成するのに焦点を当てた、そんなRPGがあっても面白いんじゃないかって。
同じようなことを考えた人は他にもいたんでしょうね。
97年はそれが重なった年でした。
というのも、97年の3月にPCで『魔法使いになる方法』が発売され、5月にPSで本作が発売されたのです。
この2本はハードは異なるものの、共にアイテム作成に焦点を当てたRPGだったのです。
アイテム合成に焦点を当てたゲームは幾つもあるわけで、そこにRPGの要素を加えた点にどれ程の価値があるかは疑問も残りますが、独自性という点では『魔法使いになる方法』に軍配が上がるのでしょうね。
そのかわり、完成度という面ではマリーの方に軍配が上がるのでしょう。
ただ、ここが本作のつらいところでしたね。
同形式のゲームは既に発売されており、インパクトはありません。
完成度は魔法使いになる方法よりは上かもしれませんが、合成部分ではアイテム合成に特化したSLGに劣りますし、RPG部分では他の優れたRPGに劣ります。
結局、いろいろ足してみたけれど、どれも中途半端に感じたわけでして。
恋愛RPGにしろ、アイテム合成RPGにしろ、なまじいろいろ足したがために、かえって1つ1つが物足りなくなってしまったのです。
96年の経験があっただけに少しは覚悟はしていたのですが、やっぱりこんなものかって印象が強かったです。
<評価>
総合的には特に得られたものがなかったので、凡作でしょうか。
もっとも、PSでは馴染みのない分野だけに、この手のゲームに本作で初めて触れた人も多かったようです。
私の評価としては厳しくならざるを得ないのですが、
初心者向けの入門用としては適切な1本だったかもしれませんね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-06-02 by katan
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