『ままらぶ』は2004年にWIN用として、HERMITから発売されました。
内容的にはアメリカンホームコメディといった感じの恋愛ものになります。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
概要・・・
主人公、桜木浩二は、502号室で暮らす、ごく普通の少年。
そんな彼の意中の人は、隣の503号室の未亡人、藤枝涼子。
主人公より一つ年下の娘がいるとは思えない女性。
主人公は、そんなお色気たっぷりの誘惑をかいくぐって、無事、本命涼子と、Hできるのか?
それとも、彼女たちの誘惑に負けて、新しい恋を選ぶのか?
全8話からなる、ホームドラマ仕立てのドタバタ恋愛コメディー。
<感想>
HERMITの『Folklore jam』(2003年)が好きだったので、同じく丸戸さんがシナリオを手がけた作品ということもあって購入したゲームでした。
本作は、ゲームをプレイするというよりも、テレビドラマを見るという感覚の強い作品でして。
そう意識付けるための工夫が、あちこちになされています。
例えば、ゲーム画面ですね。
CGの表示される画面が緩くカーブを描いており、余白の黒い部分が生じています。
これにより、ブラウン管でテレビを見ていた頃を思い出させてくれます。
ところで、当時リアルタイムでプレイしていた人であれば、ブラウン管の画面をイメージしたのかと思うくらいで、特にそれ以上の印象はなかったかもしれません。
しかし、もしゼロ年代以降に生まれた、ブラウン管のテレビを知らない人がプレイすれば、本作の画面構成の意図に気がつかないのではないでしょうか。
これは、プレイヤーの年代により印象がかわりうるという意味でも、少し珍しいかなと思います。
話を戻しまして、上記の画面構成の他にも、第何話というように章仕立てで進むシナリオであるとか、笑い声がエフェクトで入ってくる構造であるとか、主人公≒プレイヤーという構造を完全に切り離しているところであるとか、様々な部分で、プレイヤーは画面を見ているだけということを意識させられます。
本作の発売は2004年。
どうなんでしょ、微妙な年代ですね~
主人公とプレイヤーが完全に分離され、プレイヤーは見ている存在という構造の作品は、今のノベルゲーでは普通のことでしょうし、今のプレイヤーは全然違和感を覚えないように思います。
しかし、80年代や90年代前半のADVをプレイしてきた人からすると、ADVにおける主人公とプレイヤーの関係は、ずっと主人公≒プレイヤーだったんですね。
だからここを分離されてしまうと、違和感を覚える人も少なからずいたのですよ。
主人公とプレイヤーを分離させるなということで、それが争点となったこともあるくらいですし。
ただ、80年代や90年代前半のADVをプレイしてきた人で、ノベルゲーに抵抗のある人とかだと、ゼロ年代前半にどんどん離れていったので、2004年までどれだけ残っていたかとなると、微妙なんですよね。
本作が例えば2000年の発売だったとしたら、もっと良くも悪くも話題になって議論されていたと思うのですが、そういうのがないあたり、古くからのADVファンは、エロゲから離れていたんだろうなと思います。
※個人的には、2004年を最後に、エロゲを引退していった古参ユーザーは多かったのではないかと思っていますので、そういう意味でも、2004年というのは絶妙な年なのです。
かように、見ることを意識付けられた本作。
そこで見せられるものは、丸戸節によるアメリカンホームコメディでした。
丸戸さんのテキスト自体は、相変わらず安定しているとは思います。
しかし、いつもよりコメディ要素が強くなっていること、アメリカンホームコメディのような雰囲気であることから、その意味で丸戸さんの他の作品よりも少し癖が強くなっています。
本作のメインヒロインの声は、まきいづみさんであり、個人的には凄くツボでして。
丸戸作品で、ヒロインの声がまきいづみさんなら、もうそれだけで鉄板と考える人も少なからずいたでしょうし、私もそうなるものだと思っていました。
実際、まきいづみさんの声は良かったのですが、上記のとおり、本作の独特の雰囲気もあって、思ったよりはまり切らなかったように思います。
グラフィックについても、キャラデザで首の長さに違和感があり、そこも個人的にはマイナスポイントになるでしょうか。
普通に楽しい作品ではあるものの、意外と癖が強く、それが私には刺さらなかった作品でした。
<評価>
総合では、ギリギリ良作とします。
楽しいはずなのに、いまいち刺さらないということで、主観的には佳作相当の作品だと思っています。
もっとも、それはあくまでも私の主観的な好みの問題でしかありません。
時代が時代であれば議論がなされたであろう本作の構造については、好き嫌いは分かれうるにしても、そこに個性を見出すことは可能でしょう。
その点もふまえての良作扱いということですね。
アメリカンホームコメディ風のエロゲ自体少ないですし、このジャンルが好きな人であれば、かなり刺さるのではないでしょうか。
そういう意味では、丸戸作品の中でも好き嫌いは分かれそうではあるものの、刺さる人には刺さり、本作が一番好きという人がいても、何ら不思議ではないし、それだけのポテンシャルは持った作品だと思いますね。
ランク:B-(良作)

Last Updated on 2026-01-13 by katan


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