『魔法少女消耗戦線 DeadΩAegis』は、2021年にWIN用として、metalogiqから発売されました。
ストーリー重視のノベルゲーとしては、2021年を代表する作品の一つになってくるのでしょうか。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
――魔法少女は兵器である――
――魔法少女は、夢も希望も生み出さない――
――魔法少女は、快楽と体液に沈んでいく――
そう遠くない未来――
人類は、謎のエイリアンとの戦争を続けていた。
その最前線に送られるのは、エイリアンの力を身体に受け入れて、強力な能力を手に入れたうら若い少女達。
敵に犯●れることで、敵の力を身ごもり、快楽に悶えながら敵を打ち倒す。
<感想>
原画が上田メタヲさん、シナリオが丸谷秀人さんということで、どちらも20年近くエロゲを作っているようなベテランということもあり、個人的には逆にそれが盲点にもなっていまして。
それで少しプレイが遅くなった作品でした。
本作は、陵辱要素が多数含まれているものの、決してエロ重視ではなく、全体としてはストーリー重視の作品となっており、ブラックサイク時代の上田メタヲさんの作品を彷彿させます。
あの当時のブラックサイクが好きだったという人、ああいう雰囲気の作品をまたやりたいと思う人であれば、本作はおそらく楽しめるでしょう。
本作は、エイリアンと戦う宇宙を舞台にしたSF風の作品であり、変身する魔法少女モノでもあります。
そこに陵辱や輪姦要素等が加わり、鬱要素も高めの内容になっていて、一つ一つの要素を見てみると、特に目新しくもないのですが、全体としてみると、あまりこういう作品はなかったよなということで、おそらくほとんどの人が、わりと新鮮な気持ちでプレイできるでしょう。
特に近年は、ほとんどの作品で学園要素が出てきます。
キャラゲーならまだしも、ストーリー重視の作品においては、この内容で学園設定いる?と首をかしげたくなる作品も多いですし、学園要素でマンネリな茶番を見せられることで、ストーリーの流れも悪くなりがちです。
本作には、そういう要素がありませんので、最近では珍しく最初からストーリーに専念できます。
個人的には、無駄な学園要素がないだけでも、とても好印象です。
本作は、ひと昔前であれば、ダーク系に分類される作品でしょうし、ストーリー重視作品が少なくなったことも相まって、ハマった人は、今年のベストゲーに選ぶ人も出てくるでしょうね。
ただ、良くも悪くもライターの個性が出てしまっているように見えます。
具体的には、テキストに若干癖があることや、ストーリーが想定の範囲内で小さくまとまっていること等から、プレイする人により好き嫌い分かれそうなのです。
私自身、本作のような作品は非常に好むところなのですが、上記の理由から、いまいちハマりきれませんでした。
そういう意味では、ライター名を見て、本作を後回しにしていたという私の直感が、悪い意味であたってしまったともいえるでしょう。
それから、本作は、原画とライターがよく話し合ったとききます。
それにより、欲しいところにCGがきちんとあります。
しかし、CGの絶対数が非常に少なく、ミドルプライスの作品程度の量しかありません。
本作の通常版が、いわゆるフルプライスより少し安いことを考慮しても、それでもやはり少ないと言えるでしょう。
これでは、必要なところにCGを入れるために話し合ったというより、必要なところ以外はできる限り労力を削ろうとしただけに見えかねません。
上田メタヲさんの絵は、とても魅力的な絵です。
その枚数が少なくなるということは、端的にそれだけ作品の魅力も減ってしまうということでもあります。
<評価>
CGがもう少し多ければBもありえたかもしれませんが、総合ではギリギリ良作といったところでしょうか。
ブラックサイクの黄金期は2004年~2006年ですし、10年以上エロゲをプレイしているという人であっても、ストーリー重視のエログロゲーとか知らないという世代が、そろそろ出てきているかもしれません。
そうであれば、本作をプレイして衝撃を受けるユーザーもいるのかなと。
2021年のエロゲの中では異質な作品といえますから、ストーリー重視の作品が好きならば、プレイする価値のある作品だと思いますね。
Last Updated on 2024-08-06 by katan
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