『京都財テク殺人事件』は1990年にファミコン用として、ヘクトから発売されました。
山村美紗サスペンスと捉えるならば、本作が3作目になります。
もっとも、前2作はタイトーから発売されており、正式には同じシリーズとは言えないのかもしれませんけれど。
<感想>
山村美紗さん原作のゲームは、過去の2作もやたら豪華なパッケージでした。
本作はメーカーは変わったもののこの点は同様で、更に輪をかけて豪華な作りになっています。
今はどうなのかよく分からないですが、本作は結構プレミアがついてたりするんですよね。
立派なパッケージに高額の値札がついて店に鎮座している様子は、大物感たっぷりです。
一体どんだけ面白いんだろうって、ついつい気になっちゃいそうですよね。
ただ、その圧倒的な雰囲気に反して、内容に関してはイマイチでしたね。
タイトーのは2作とも良く出来ていたのですが、これは本当に別物と考えた方が良いでしょう。
イマイチな理由は大きく2つ挙げられるでしょうか。
1つは、過去作よりもグラフィックがしょぼくなったことです。
もう1つは、ゲーム部分が凄く簡単になったことです。
このゲーム部分に関しては、もしかしたら意見は分かれるかもしれません。
本作はコマンド選択式ADVなのですが、必要なコマンド以外出てこないのです。
感覚的には、今のノベルゲームとあまり変わりません。
不要なコマンドを試す必要が無くなったという意味では、確かに快適ではありました。
でも、その反動でクリアが簡単で、時間的にもあっという間でした。
推理物はやっぱり悩んでこそって思っていたので、私には物足りなかったですね。
まぁ、完全に駄目駄目かというと、決してそうでもなくて。
題名に財テクとあるように、本作では株取引を扱います。
そして、ゲーム内で実際に株を買えるんですね。
これがちょっとした遊び心として機能しており、プレイを楽しくさせてくれたものです。
<評価>
総合では凡作としておきます。
買えばそれなりに楽しめるけれど、あえて買う必要はないかなと思うわけでして。
他に山村美紗サスペンスがなければ佳作でも構わないのですが、他にありますし、そっちを買った方が楽しめることから、それで十分となっちゃいます。
まぁ、後は山村美紗ファンのコレクションと、ファミコンのゲームを集めている人向けなんでしょうね。
パッケージは目立つので、所有欲はきっと満たしてくれるでしょうから。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2025-01-31 by katan
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