黒と黒と黒の祭壇

2002

『黒と黒と黒の祭壇』は2002年にWIN用として、シーズウェアから発売されました。

シーズのオリジナルのフルプライス作品としては、これが最後になりますね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

商品紹介・・・高慢なわがまま皇女、気丈な女騎士、けなげな侍従を徹底陵辱!
しかも、ナント展開によっては処女のまま!
魔術・邪教の儀式で神聖なものを犯す背徳感をバッチリ表現!
全CGのほぼ80%がHシーン!預言者に反逆者とされた英雄が復讐を始める。
道具もバリエーションも豊富!ダークテイストな調教陵辱!

<感想>

剣乃作品を中心として、一時期は最大手ブランドに肉薄するところまで勢いがあったシーズウェア。
そのシーズウェアのオリジナル最後の作品は、2003年の『地っ球の平和をま~もるためっ!!』になります。
もっとも、上記作品は4分割の作品であるうえ、1つ1つはミドルプライスの作品でした。
フルプライスの単独の作品となると、前年に発売された本作が最後の作品となります。

もう、一昔前の作品になりますし、今更ブランド名で興味を抱く人も少ないでしょうから、仮に今興味を持ってプレイする人がいたならば、それはライターである朱門さんの名前から辿り着き、シナリオ目当てでプレイするのかもしれません。
しかし当時は、無名のライターだったわけでして。
もちろん、ライターとしては『蜜柑』の頃から既にデビューしているし、『蜜柑』は私も大好きな作品なのですが、如何せん複数ライターの作品でしたので、個人の名は気にしていませんでした。
朱門さんが一人で仕上げた作品は本作が最初ですので、本作の発売時にはライター買いする人はまずいなかったでしょう。
本作は調教ゲーとして発表されていたことから、むしろ調教ゲー目的で購入した人の方が、圧倒的に多かったんじゃないかなと思います。

とはいえ、シーズウェアがガチの調教ゲーを出したことはなかったですし、バグ等のプログラム面で難を抱えていた事情から推測すれば、本作がガチの調教ゲーにならないことも、ある程度予想はできたし、案の定、ガチの調教ゲーではありませんでした。

本作は、調教ゲーとは言っても90年代に多かった調教SLGではなく、ノベルゲーとしての調教ものにすぎません。
しかも途中からファンタジー世界を舞台にした、いわゆるシナリオゲーの様相を呈してきます。
陵辱・調教の比率は高いものの、途中からそれがメインではなくなりますし、調教という部分だけに興味を持ってプレイしたならば、完全に期待外れとなってしまうのでしょう。
そういう意味では、やや看板に偽りありだったのかなと。

他方でストーリー重視の作品として楽しめるかですが、設定とかにこだわっているのは伝わってくるものの、テキストだけで長々と説明し、ゲームとしての特性を活かしていないかなと。
それと、純粋なストーリー重視ではなく、陵辱・調教に結構な分量を割いていますので、ストーリー重視作品としての深みも減ってしまったように感じました。

ただ、シナリオゲーとかシナリオ重視って、今では皆ごちゃ混ぜに使っている人が多いように見えますが、90年代にこの言葉が出てきた頃って、ストーリーは並だとしても、このシナリオライターのテキストが好きという場合に、使われだした言葉だったわけでして。
だから本作の場合も、もともとも使われ方、つまり、本作のストーリーは並以下だけど、ライターである朱門さんの書くテキストがとにかく好きなのだという人であるならば、そういう楽しみ方はできるのかもしれません。
私は特にファンでもないので、その楽しみ方はできなかったということです。

他方、グラフィックについては、ここは完全な好みの問題ですけどね。
本作の様なダークファンタジーはリアルな路線の方が好みなのですが、本作は結構炉利な作品でして。
それで個人的には感情移入しにくかったのもありますね。

<評価>

結局、調教ゲーとしてもストーリー重視作品としても中途半端な内容であり、個人的には凡作としておきます。
主観的には、駄作でも構わないくらいでしたし。

私にとっては完全に期待外れの作品だったものの、炉利の抜きゲーが好きな人であり、それいでいて抜きゲーだからと言ってエロだけで良いわけではない、最低限のストーリー性も必要だと考える人ならば、本作はその条件を満たした作品とは言えるのでしょう。
その観点からはおすすめできる作品かもしれませんね。

ランク:D-(凡作)

黒と黒と黒の祭壇 dl

Last Updated on 2025-04-20 by katan

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