『高校教師 聖エリカ学院編』は1994年にPC98用として、ウィッシュボーンから発売されました。
94年には『同級生』系の作品がいくつか発売されましたが、その中の一つになります。
<概要>
ゲームジャンルはP&C式ADVになります。
主人公は新任の高校教師として女子校に赴任し、そこで女の子たちを指導することになります。
<感想>
ざっくり言ってしまうと、同級生系のADVとなるのでしょうし、本作をプレイした人の多くも賛同してもらえると思います。
ただ、『同級生』って、様々な要素が混ざりあった作品であることから、どこに注目するかでもイメージはかわってしまうのかもしれません。
本作は、マップ上から移動場所を選び、そこで会った人と会話をします。
移動した先では、画面上をクリックすることになりますので、基本的にはP&C式ADVになります。
そうした基本的な構造部分は、『同級生』と同じになります。
もっとも、『同級生』では時間の概念があり、時間を管理する作品という側面もありました。
本作ではその要素がないことから、『同級生』の醍醐味は時間管理にあると考える人だと、本作は物足りなく感じてしまうのでしょう。
厳密な時間の概念がないことから、難易度は低そうにみえますが、必ずしもそうとも言えません。
移動するところが多いわりに、キャラが出てくる頻度は低く、途中でだれてしまう可能性はわりとあります。
本作はメインキャラが少ないこともあり、どこに行ってもキャラに会えないこともあり、そうなってくると楽しくありません。
この系統の作品を作ることの難しさを痛感しましたね。
『同級生』は92年とはいえ、12月の発売であり、93年の段階では同系統の作品がほとんどありませんでした。
ヒット作が生まれたら、どこかしら真似してくるものですが、この系統の作品を作るのは大変なのか、94年になってようやく増えてきた感がありまして。
本作もその一本であり、同級生系の作品を求めていた人にとっては、待望の作品だったかもしれません。
そういう意味では、意義があったように思います。
それから、本作は、主人公が高校教師になります。
90年代前半の作品は、主人公が教師という作品も少なからずあり、その辺もまた、今とは異なる時代性を感じてしまいますね。
<評価>
CGはあまり綺麗でないし、今やると不満も多い作品でもあり、個人的には凡作でも良いかなと思います。
ただ、同級生系の作品が望まれていたところに発売されたということで、需要に応えた側面はあったのかなと思い、総合ではギリギリ佳作としておきます。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-10-15 by katan
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