美少女万華鏡 ─神が造りたもうた少女たち─

2015

『美少女万華鏡 ─神が造りたもうた少女たち─』は2015年にWIN用として、ωstarから発売されました。

八宝備仁さん原画の低価格シリーズ、「美少女万華鏡」の3作目になります。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
いつとも知れぬ時代。
地球を支配していた人類の繁栄が失われてから、更にはるかな時が流れ・・・・・・。
世界の果てのような場所に、その塔はぽつんと建っていた。
塔には科学者が住んでいた・・・たった一人で。
人間に見捨てられた場所で、彼は仲間を求めた。
彼にはかつて滅んだ文明の、科学力があった。
魔法のような技術を駆使して、彼は遂に理想のメイドロボットを造り出す・・・・・・。

<感想>

シナリオゲーとヌキゲーのどちらかに分けたがるような最近の風潮は、個人的にはかなり抵抗があります。
しかし、そういう風潮が生まれるくらいに、ストーリーの良い作品ではエロが薄く、エロの濃い作品ではストーリーが薄いという傾向が続いてしまったことも、事実として否定できないのでしょう。
この点は、WIN時代になってからの最も悪い部分だと思います。

そして本作はHシーンが豊富であり、上記の区分に当てはめるのであれば、抜きゲーに分類されるタイプの作品になるのでしょう。
本作はHシーンが充実していますので、一般的にはその点が一番の魅力なのだと思います。
もっとも、個人的に印象深かったのは違う部分にありました。

その一点目が背景の美しさですね。
エロ重視の作品がHシーンにこだわるのは当然なのだけれど、Hシーンのシチュさえ豊富なら他は手抜きで良いのかというと、個人的にはそう思いません。
抜きゲーは中小ブランドや同人に多く、手が回らないのもあるでしょうが、どうも背景とか手抜きなのが多くてね。

確かに背景が良いからと言って、直接的にエロさが増すわけではないでしょう。
だから背景なんか気にしないって人もいると思います。
しかし、キャラの周囲を彩る背景やオブジェが優れていることにより、間接的にキャラの魅力を増すこともつながります。
そしてキャラの魅力が増し、キャラへの思い入れが強まることで、同じHシーンでも更にエロく感じられるのです。
特に私のような物語の流れであるとか雰囲気に浸るタイプですと、マニアックなシーンを用意されるよりも、思い入れの強いキャラとのHという方が盛り上がるのであり、背景による雰囲気作りも大事になってきます。
他所が手抜きであることが多い中で本作はそこが優れていたので、満足度が高まったのです。

二点目が、ストーリーの存在です。
ストーリーに関しては、これだけでは長所と呼べるほどには優れていないのでしょう。
エロ薄のシナリオゲーであれば、不満の方が目立つかもしれません。
しかし、いわゆる抜きゲーのありきたりなストーリーと比べれば、格段に優れているとは言えます。

ストーリーが多少良くても、直接にはエロさにつながりません。
だから実用性だけを求める人には、不要なのでしょう。
むしろストーリー性が強ければ強いほどエロが不要になってきますし、それはシナリオゲーによるエロ薄という形で歴史が証明しています。
だから過度なストーリー性は不要なのかもしれないけれど、それでもある程度の範囲で言うならば、ストーリーがしっかりしていることによりキャラの魅力が増し、キャラへの思い入れが強まることで、間接的にHシーンの強化にもつながるのでしょう。

<評価>

本作は八宝備仁さんの描くキャラと豊富なエロが一番の魅力だけど、決してそれだけに頼るのではなく、一定のストーリー性と優れた背景により、キャラとエロの魅力を更に増すことに成功した作品でした。
その点で、並の抜きゲーを確実に上回っています。

なお、本作をプレイする前にコスパが良いと聞きました。
CG枚数とかは価格平均よりはるかに多く、CGのコスパは確かに良いのですが、プレイ時間とかは価格平均より少しは上かもしれないけれど、それほど絶賛するほど多くもないと思います。
コスパが良いという言葉だけで先入観を持ってしまうと、少しガッカリしてしまうおそれはあるでしょうね。

総合では、良作に近い佳作としておきます。
背景は良かったけれど、基本的にあまり印象深い作品でもなかったので。
ただ、低価格でもしっかり作られた作品ですので、良作扱いでも構わないと思いますし、低価格商品に安かろう悪かろう的な偏見がある人には、こういう作品こそプレイしてみてもらいたいと思いますね。

ランク:C(佳作)


美少女万華鏡 dl

Last Updated on 2024-09-23 by katan

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