『July (ジュライ)』は1998年にDC用として、フォーティファイブから発売されました。
DC初期のノベルゲームでした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
世紀末にノストラダムス云々というあらすじに、150人以上のキャラに100ヶ所以上の移動場所と、DCだからなしえたと壮大さを煽ったわりにマイナーな作品でしたね。
<感想>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
なお、基本的にはマップから移動場所を選ぶタイプになります。
移動場所を選ぶと、そこでのイベントが画面全体に文章として表示され、たまに選択肢が出てくるわけですね。
イベントが終わるとまたマップ選択に戻るのですが、その時ガッシャーンって音をならしながら画面が変わるんですね。
問題なのは、その戻るという部分にあって、100ヶ所以上動けるのは良いのだけれど、行ってもイベントなくすぐに戻る場合が多いのです。
そのため、何だかガッシャーン、ガッシャーンの繰り返しのような印象のゲームでした。
客観的に見たら駄目だろこれとなりそうなものだけど、何故かそのガッシャーンがやみつきになっていくから変なものですね。
変なのはストーリーも同じで、確かノストラダムス云々と言いながら始まったはずなのですが、何だかどんどんあさっての方向に進行して行き、超展開になっていった作品だったように思います。
そういう意味では完全に看板に偽りありだし、客観的には決して褒められたストーリーでもないのですが、何だかよく分からない勢いみたいなのがあって、次第にやみつきになっていくんですよね。
ちなみに、登場人物の150人というのも、大抵はモブみたいなもので、これもある意味詐欺っぽいような感じです。
そういうわけで冷静に客観的に見るといろいろアレなのですが、何だかよくわからない力に引かれるようにして、人は知らんが俺はそれなりに楽しめちゃったよ的な、独自の雰囲気は有していた作品でした。
それと1つ思ったのが、フォントの綺麗さですね。
ドリキャスになってノベルゲームに何か変化はあるのか、別にPSでも構わないのではというのは、当時は多くの人が思ったかと思います。
2000年にドリキャスに移植された『久遠の絆』にしても、PS版のときはサウンドに一番労力を割いたみたいなことを言っていましたが、DC版ではフォントにこだわっていたようで、文字が格段に読みやすく綺麗になりました。
ドリキャスになってのADVの変化は何かとの問いに対し、真っ先に示して見せることができたのが、このフォントの変化だったのでしょう。
そういう意味ではローンチタイトルとしてハードの違いを示せたわけで、それなりに意義もあったのかもしれませんね。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-12-22 by katan
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