有閑紳士

1999

『有閑紳士』は1999年にWIN用として、日本プランテックから発売されました。

ゲームの新しい発売形式。
試みとしては面白かっただけに、定着しなかったのが悔やまれましたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

娘のいる女性と結婚し、その義理の娘を女として調教。
そして母親にその姿を見せるのが楽しみという、超外道な性格の男性が主人公になります。

そんな主人公が再婚し義理の娘を調教するということで、内容的には調教ゲーになるものの、ぶっちゃけ抜きゲーになりますね。

<感想>

抜きゲーであることを考慮したとしても、ストーリー自体はいたって普通なのでしょう。
何も知らないでゲームだけをプレイしたならば、今となっては物足りなさしか感じられないかもしれません。
しかし本作はアダルトゲーム史において重要な、1つの面白い側面も有しているのです。

というのも、本作は発売形式が特殊だったんですね。
まず価格は2500円と、今でいう低価格路線になります。
低価格の作品ゆえにボリュームは少ないのですが、時代背景を考えれば一概に少ないとは言い切れません。
ゲームのボリュームは必ずしも増える一方ではなく、何かを契機として増えたり減ったりを何度か繰り返してきています。
99年というのは、ゲーム性を排除したノベル系作品が増えた年であり、他方でまだ音声がつくことは標準でない時代でした。
前年までの作品と比べ、たとえストーリーそのもののボリュームが同じでも、ゲーム性を廃したことでプレイ時間が短くなってしまった作品が増えたのです。
したがって、名作と呼ばれる作品の中にも、ほんの数時間で終わってしまう読み物系作品もあったわけで、そうした状況下で本作は発売されたのです。
フルプライスでも数時間で終わるのに、本作は半額以下。
そうであるならば、決してコスパが悪いとは言い切れないでしょう。
しかもフルプライス作品で音声なしも多いのに、本作にはなんと、音声が付いているのです。
それを2500円でやろうっていうのは、かなりの挑戦だったと思います。

また、単にゲームの価格が安いだけでなく、原画集・ムックと一緒になっての価格だったんですね。
原画集だけでも2000円以上する場合が多いですから、セットでこの価格は驚異的です。
よく出せたなと、つくづく思いますね。

このゲーム、ゲームに原画集がついているとも捉えられますが、逆に原画集にゲームがついていると捉えることもできます。
むしろ後者の位置付けにあったことが、この作品の新しさでもありました。
つまり書籍扱いということで、一般の書店で売っていたんですね。
本屋で普通にエロゲが買える。
それって素晴らしいことだと思いませんか?

新しい販売方法が開拓されることは市場の拡大にもつながりますし、個人的にはもっと普及して欲しかったのですけどね。
残念ながら、現実にはあまり普及しませんでした。
販売経路の違いから、逆にPCゲーの販売店で見かけることは少なく、専ら書店での購入になってしまいます。
その書店にしても、本当に大手の書店しか扱っていないですし、扱っている書店でも他の原画集と混ざって棚にささっているだけです。
私のように最初からくまなく探そうって考えている人を別にすれば、普通は目にとまることはないんですよね。
ネット書店のようなものも普及していませんでしたから、表面上は購入方法が拡大したようでありながら、実際にはかえって購入しにくい状況になってしまったのです。
ネットの普及した今なら、もっといろいろと、やりようがあるのでしょうけどね。
この時期にこういう作品を出すということは、まだ早かったのかもしれません。

<評価>

総合では、そのコストパフォーマンスの高さや、原画集+ゲームという新しい形式への挑戦に敬意を込めて良作とします。

作品内容自体はあまり好みでもなかったのですけどね。
こういう作品はもっと増えても良かったんじゃないかと思うだけに、あえなく消えていってしまったことに寂しさも感じてしまいますね。
忘れられていく歴史の中で、過去にはこういう試みもあったのだと、せめてここでだけでも書き残しておきたいと思い扱ってみました。

ランク:B-(良作)


有閑紳士

Last Updated on 2025-01-14 by katan

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