『淫靡蕩少女 羽ばたきし鳥かごの天使』は2015年にWIN用として、Waffleから発売されました。
シリーズ第2弾になります。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
主人公『心衣天丸』は、研究施設のコールドスリープで目を覚ました。
天丸が眠りついてから、350年の時が経過していた。
施設で出会ったのは、翼の生えたセクサロイド『ローゼル』、施設管理アンドロイドの『ディア』。
3人は外に出ようと試みるが、扉は固く閉ざされて出られなかった。
残された食料は2週間分のみ…‥、彼らは閉鎖された研究施設で、かけがえのない絆を育み、そして――。
巨大施設、造られた少女たち、謎の人影……
秘められた真実は、彼らに無情な選択を迫る。
<感想>
シリーズ第2弾になります。
本作単独でも一応楽しむことは可能ですが、本当の面白さはシリーズを通してプレイして初めて分かるので、できることなら1作目からプレイしてください。
前作はミステリーであったのに対し、本作は主人公らが施設の外に出ることを目的とするサスペンスで、ストーリーの構造自体も前作よりシンプルになり、分かりやすくなっています。
また、目的が最初からハッキリしていることから、最初からすんなり物語に入っていけます。
メインのストーリーはシンプルなのですが、そこにSF的なメッセージ性が含まれてきます。
題材自体は使い古されたようなネタでもあり、SF作品が多かった時期を経験したプレイヤーであれば、あまり得るものはないのかもしれません。
もっとも、近年はSF作品が極端に減っていますから、あまり馴染みのない人も増えていることでしょう。
そういう人であれば、刺さってくる作品ではないでしょうか。
そういう意味では、本作は初心者向けなのであり、馴染みのない人には強烈なインパクトを与えるかもしれません。
本作は、上記のとおり、ベースはシンプルなサスペンスでありつつ、そこにSF的なメッセージ性を加え、さらに前作とのつながり、そして次作へのつながりを混ぜ込んでおり、この辺りの構成は上手かったと思います。
こういうやりたいことのハッキリしている構成は、私は好きですね。
ただ、このシリーズは、エロ重視の派生作もあるので、個人的にはエロは派生作に任せて、本作はもう少しメインのストーリーのボリュームを増やしても良かったかなと。
ストーリー重視の作品なだけに、エロの多さが逆に気になってしまいました。
つまりHシーンを少し減らして、その分イベントを増やし、CGもイベントCGに割いた方が、もっと良くなったと思うのです。
全体のボリュームが少ないだけに、エロとのバランスが気になってしまいました。
<評価>
本作単体で考えるならば、佳作かなと思います。
しかし、前作とのつながり、次作へのつながりが秀逸であり、本作があるからこそ、シリーズが上手く軌道に乗ったのでしょう。
起承転結とは言いますが、その「承」としての役割という意味では、文句なしの作品とも言えます。
その点も考慮し、総合ではギリギリ良作とします。
上記のとおり、このシリーズは本来は初心者向けだと思います。
だからこそ、パッケージ版で幅広いユーザーを対象にすれば、若いユーザーにうけ、きっと高い支持を得ていたと思います。
分割販売なうえに、DLsite専売にしてしまったことは、何とももったいないですね。
Last Updated on 2024-09-29 by katan
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