いもうと ~14歳の夏に~

1995

『いもうと ~14歳の夏に~』は、1995年にPC98用として、アシカソフトから発売されました。

同人作品のDCSシリーズの第4弾であり、近親ネタを扱った作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

主人公は大学生であり、5歳下の妹がいます。
まず最初に、主人公を男と女のどちらにするか選びます。
男であれば兄と妹との関係であり、女であれば姉と妹ということになります。

<総論>

今回は少し説明から入った方が良いでしょうね。

PC98時代に、『いつみの中学生日記』という同人ゲームが、D.C.S(ディスクコミックシリーズ)の1巻として発売されました。
本作は、そのD.C.Sの4巻になります。
本作は、たぶん95年の発売だったと思うのですが、手元のメモに94年と書いてあり、正確な発売年を覚えていません。
『いつみの中学生日記』が93年発売なのは間違いないので、それから1年か2年後の作品ではあるのでしょうけどね。

なお、各作品につながりはありませんので、この作品だけでもプレイに何ら問題はありません。
D.C.Sについての詳細は、後述します。

ところで、シリーズの最初の頃の作品は、「SOFT HOUSE TODO」というサークル名での発売だったはずですが、その後に「アシカソフト」と変えまして、本作もアシカソフト名義での発売になります。
そしてその後は「ポシェット」として商業デビューし、現在は主に同人の「みるきぃぱぁる」名義で作品を出しています。

今調べてみたところ、みるきぃぱぁるとしては2012年頃まで作品を出していたようです。
同人商業併せて計算すると、20年間ゲームを作り続けていたことになり、同人時代が長いとはいえ、かなりの実績を残しているといえるでしょう。

<D.C.S>

さて、本作は最初に主人公を選ぶため、そこに選択肢が一応あるとは言えるのですが、その後は一本道で読んでいくだけになります。

立ち絵ではなく一枚絵中心の進行ですので、分かりやすく言えば近年の人形劇ではなく、文字通り紙芝居といった印象のノベルゲームになります。

このシリーズの良いところは、読みやすさを意識していることです。
ここは画像を参考にしてもらった方が早いのですが、「↑」ボタンで簡単に前のページに戻れる、つまりバックログが付いていたんですね。

ノベルゲームの歴史は実は80年代からと古くからありますが、バックログが標準化するのはずっと後のことです。
この時期のPC98の商業作品では、バックログのない作品の方が圧倒的に多いわけでして。
読むだけというシンプルな作品が多いからか、こういう部分では意外と同人の方が進んでいたように思います。

それから、画面左下の方には、ページ数もあります。
あの名場面がもう一度読みたいと思ったとき、小説だと何ページか控えていれば、すぐに読めます。
いや、ゲームでもセーブしておけば同じだろと思う人もいるかもだけど、それだと、他人と話を共有しにくいですからね。
何ページのあれと言えれば、話を共有することも容易です。
だから私は、ページ数の表示というのは、とても便利な機能だと思うのですよ。
こういう機能こそ、ネットで不特定多数人とつながりやすくなった現在において、エロゲに必要なシステムだと思うのですが、何で標準化されないんですかね?

以上の様な機能を有した作品ですので、今自分がどこを読んでいるのか、そしてそこから戻るも進むも自由ということで、読んでいる人に凄く配慮されたシリーズであり、UIは非常に良かったといえます。

<感想>

具体的な内容に関してですが、男性主人公と女性主人公とで、展開にほとんど違いがありません。
近親かレズか、お好みでって程度ですね。
そのため、ここからは男性主人公の場合を前提に話を進めます。

主人公は19歳の大学生であり、5歳年下の妹がいます。
主人公は大学合格後、一人暮らしを始めていたのですが、失恋したこともあり、実家に帰省します。
そこで女らしく育った妹と再会し、妹の親友に手を出して軽く修羅場った後に、妹と結ばれることになるという内容になります。

ストーリー中心の作品ではあるものの、同人作品ということでボリュームも少なく、どういう人が楽しめるのかとなると、やっぱりエロ方面で近親モノが好きな人となるのでしょうね。
あとは、ヒロインの設定年齢以上に、絵柄が炉利なので、そっち方面が好きな人ですね。

グラフィックに関しては、少しバランスが悪いところもありますが、コミックを読んでいるような表示方法も取り入れ、全体としては良かったと思います。
こういう手法も、もっと増えて良いと思うのだけれど、なかなか増えないんですよね。
個人的にはもっと増えて欲しいのですが。

<評価>

ボリューム自体は少ないですし、シリーズ作品をプレイ済みの人だと、新たに得るものは少ないかもしれませんが、このシリーズを初めてプレイした人だと、結構見所のある作品だと思いますね。

ランク:C(佳作)

Last Updated on 2024-11-02 by katan

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