FOXY - ADVGAMER

『FOXY』は1990年にPC88用として、エルフから発売されました。

エルフのSLG路線の先駆けとなる作品でした。

＜感想＞

一応近未来を舞台にしていますが、基本的に戦車や戦闘機を用いて進めるということで、簡単に言えばネクタリス系の現代戦術SLGを易しくして、それにエロをつけたゲームになりますね。
というわけで、ジャンルとしては戦術SLGになります。

一般PCゲーにあるSLGを易しくしつつH要素をつけた路線ということで、今なら初期のエウシュリーのゲームみたいなイメージなんですかね。
まぁ、こういう路線が好きな人もいるでしょうし、その人には良いゲームだったのかもしれません。

ただ、個人的にはちょっと全ての面で中途半端だったのかなと。
ゲームは適度な難易度で初心者に易しい作りですが、昔の私はハードな物が好みでしたから。
そしてそれ以上に、これはいつの時代も変わらないのですが、新しい何かが欲しかったわけです。
コンシューマーや普通のPCゲーにお手軽なエロを付けただけでは、元を取るくらいには楽しめても、ちょっと物足りないのです。
本作はまずそれが欠けていたのですよ。

もっとも、アダルトゲームにおける本格的なSLGというのは、大体この90年頃からになります。
こういうのでも良いからやりたいって人も当然いたでしょうし、何より最初に何かが出なければ後が続かないですからね。
アダルトゲームでもまともに遊べるSLGがあるんだって示した点では、意義があったのでしょうね。

それとエルフは、その後も戦術系のSLG路線を展開します。
たとえばシャングリラシリーズやドラナイ４になりますね。
その中には名作と呼べる作品も出てくるわけです。
本作はその先駆けとなった作品ですから、例え本作自体が小さな一歩であったとしても、後の大きな一歩を生み出すきっかけではあったのでしょう。
そういう意味では、少なくともエルフには必要な作品だったかもしれませんね。

そういうわけでシステム自体は特に秀でていないのですが、CGとキャラは良かったですからね。
特に主人公のパートナーのユキちゃんが可愛かったので、これだけでも元が取れるってものです。
ゲーム性で劣る分はキャラで挽回したと言えますので、総合でも佳作ってところでしょうね。

ランク：Ｃ－（佳作）