es 心の闇に深入りするな

2001

『es 心の闇に深入りするな』は2001年にドリームキャスト用として、セガから発売されました。

実写ゲームとしては珍しく、中身も伴った良いゲームでしたね。

<感想>

2001年というとドリームキャストは末期に入っていて、新規参入者はあまりいないような状況でした。
実際、本体の製造はこの年の3月末までで終了しており、4月発売の本作発売時にはもう作ってなかったんですよね。

もっとも、それでもギャルゲーはコンスタントに発売されていましたし、『サクラ大戦3』のように、2001年以降も傑作が発売されています。
つまり、ソフト勢いという面ではまだまだあったのでしょうが、PCE末期みたいなギャルゲー専用機といった雰囲気になってきていたんですよね。

そうした状況下で発売された本作は、実写ゲーでした。
この時期のドリームキャストで実写ゲーなんて、どう考えても売れなそうな感じしかしないのですが、私は実写ゲーは好きなので発売日に特攻しました。

ジャンルはインタラクティブムービー系のADVで、内容はサイコサスペンスとなります。

インタラクティブムービー系ということで、ゲームは要所要所で画面をクリックするだけ。
ゲーム性を楽しむというよりも、映像や物語を楽しむってタイプですね。
ただ、本作は昔のサイキックディテクティブシリーズみたいに、相手の深層心理にダイブしていきます。
その際に映像とコマンドを一致させる必要があるなど、見た目とコマンドをリンクさせることで、プレイヤーの一体感は結構演出できていたように思います。
その一体感のおかげで、実際の操作以上にゲームらしさを感じることが出来ました。
これは大きいですよね。
良いゲームはゲーム性が高いものが多いですが、単純なゲーム性の高さだけでなく、そのシステムとストーリーが上手くマッチしているものが多いです。
本作はシステム上、狭義のゲーム性自体は高くないかもしれませんが、このマッチしている感覚が良かったので、思った以上に楽しめてしまうのです。

さて、そうは言うものの、こういう作品ですからね。
結局のところ、面白いか否かは映像と物語にかかってくるでしょう。
まずグラフィック面ですが、ドリームキャストのADVということで画質関連は凄く良かったと思います。
古いハードと比べて良いのは当然ですが、同時期の他機種よりも良かったでしょう。
2Dの強さがDCの特徴でもありましたしね。

加えて、三上博史さんや釈由美子さん、酒井若菜さんなど、結構有名な役者も使われていました。
個人的には三上博史さんが出演というのがポイント高かったです。

また、画質や役者だけでなく、演出等も凝っていましたね。
サイコダイブしているという不安定さも、良く表現できていたと思います。

これ、ドラマでそのまま使っても結構いけそうな気がします。
ってか、やったんでしたっけ?
総じて、グラフィック等の演出関連は、実写ゲーの中でもかなり良い出来になっていたかと思いますね。

問題はストーリーなのですが、これも基本的には良かったと思います。
まぁ、面白いノベルゲーと比べると物足りなかったりもするのですが、外れが多すぎる実写ゲーの中ではかなり頑張っている方です。

欠点を挙げるとするなれあば、テンポが少し悪かったことでしょうか。
ストーリーもゆっくりだし、ゲームももっさりだしで、どうしてもスローに感じてしまいます。
また、外国産の実写系の優れた作品に比べると、やっぱりまだまだ作りが荒いです。

しかしながら実写系のゲームって、これ以後もあまり発売されていないですよね。
わずかに発売されたゲームも評判の悪いやつばかりですし。
ゼロ年代の国産実写系を代表するゲームとなると、やっぱりこれかなって思います。
海外にはもっと優秀なのもあるけれど、あくまでも海外の話。
日本語で遊べるってのはやっぱり大きいですからね。

<評価>

総合では、良作とするか名作とするか悩みましたが、ゼロ年代を代表する国産のゲーム機用の実写ゲーであることを再評価し、名作とします。

思うに、メジャー機種で発売された実写系はことごとくハズレで、マイナー機種で発売された物に良作が多い気がします。
本作なんかも、その良い例でしょうね。

国産の実写系ではトップクラスな出来な上に、後発作品ではまともなものがないとなると、ある程度中身の伴った作品では最新の物とも言えます。
そうだとすると、今プレイするって観点からでも、本作は非常に意味のある作品かもしれません。
ハードを問わないのであれば、実写ゲーのお勧めを聞かれたらこれなんかが良いかもしれませんね。

最後に、私は通常ADVをプレイ動画で済ませるのは賛同しません。
プレイするのと見るのとでは、得られる感触が違いますからね。
これは能動的に動けるADVほどよく当てはまります。

でも、本作はムービーを見るのが主体ですからね。
クリックする数も少ないですし、動画でも結構楽しめちゃいます。
いきなりDCを購入して特攻するのも怖いでしょうから、序盤だけ動画を見て自分に合うかを検討するのは、本作に関してはかなり有用とも思いますね。

ランク:A-(名作)


Last Updated on 2025-02-19 by katan

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