エーベルージュ

1997

『エーベルージュ』は1997年にWIN用として、富士通から発売されました。

育成SLGのブームに加え、富士通による宣伝効果もあり、一般PCゲーのオリジナル作品としては、かなり有名になりましたよね。

<感想>

windows95が発売されて、一般PCゲーも再び賑やかになりました。
多方面から参入もあり、活気があったんですよね。
本作はその象徴的な作品の1つで、とても印象的でした。

少し個人的な話になりますが、当時は今と違って秋葉原にも良く行っていました。
富士通という大手の力が凄かったのでしょうか。
とにかく街頭での宣伝が凄かったです。
他にもメディアミックス展開も凄かったですね。
ラジオで知った人も多かったのではないでしょうか。

あまりゲームに詳しくない私の友人も、この作品は知っていましたし、宣伝って大事なんだなと、良い意味で再認識した作品でもありました。

さて、肝心の中身なのですが、ノイシュの一言に尽きるのかなと。
ゲームはファンタジー世界がベースの育成SLGとなっていまして、トリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところから始まります。
そして前半は初等部で2年間過ごし、後半は高等部で3年間の学園生活をおくることになります。
このゲームの目的は2つあって、1つはクラスメートから告白を受けることで、もう1つは卒業後の職業と結婚相手を決めることです。

ゲーム部分は一応前半と後半の2部構成になっているという特徴はあるものの、良くも悪くも普通の育成SLGです。
決して悪くもないけれど、良くもないみたいな。

前半の初等部では、主人公にはノイシュというルームメイトがいるのですが、一応男性扱いになっている中性という設定になっています。
これが何とも悩ましいもので、他のヒロインより可愛かったのです。
そのノイシュとどう接したかで、後半のノイシュは、男性にもなりますし、反対に女性にもなったのです。
前半後半と分ける設定は、まさにノイシュのためにあるようなもので、設定を上手く利用した感じですね。
いや、最近は男の娘とかも流行っていますが、やっぱり女の子が良いですよ。
女の子の姿で現れたときは、ガッツポーズが出るほど嬉しいものでしたしね。

たぶん、このノイシュに対する印象で、ゲーム全体に対する印象も決まってくるのではないでしょうか。
個人的には新鮮でこの発想は良いなとは思ったのですが、もう少しあざといぐらいに萌えを意識して掘り下げてくれれば、もっと良かったように思います。
せっかく大きな長所になりそうなところを、みすみす逃しているようにも思えましたから。
でも、だからこそ一般受けもしたのかな。
そう考えると難しいものですね。

<評価>

総合的には本作ならではの個性はあるものの、名作というほどの長所にもなりきっていないことから、良作とします。
ただ、ノイシュに興味が持てなければ、佳作もありえたでしょうね。

まぁ今回はゲーム自体の印象よりも、冒頭で書いたように存在自体のインパクトが強い作品で、そういう意味で印象深い作品でしたね。

ランク:B-(良作)


エーベルージュ
エーベルージュ AMAZONで詳細を見る

Last Updated on 2024-12-04 by katan

コメント

タイトルとURLをコピーしました