同窓会refrain

2001

『同窓会refrain』は2001年にWIN用として、F&Cから発売されました。

同窓会シリーズの3作目であり、これで完結編になります。
内容としては、前作のアナザーストーリーになります。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
不二男主催の忘年会。
真琴の企画で始まった今回の忘年会も終了の時刻が近づいてきた。
これから新年を迎えようとする中、鮎からの提案で、メンバーは洋介率いるインディーズバンド『XAX』のカウントダウンライブ会場に足を運ぶこととなる。
熱気に包まれたライブハウスは、新しい年の足音を待ち続ける人々の熱気で噎せ返っていた…。
12時を過ぎ、微かにこの街に降り始めた今年初めての雪。
その光景向こう側に一体どのような物語があるのか?
未来への期待膨らむ一同の胸は、様々な想いで満たされている。
新年へのカウントと共に、もう一つの『同窓会again』の世界が始まった…。

<感想>

2001年の1月に『同窓会again』が発売され、本作が同じ2001年の8月に発売されました。
『同窓会again』については結構長く書いたし、それでこのシリーズについて書きたいことは書いたので、本作については、あまり書くことがありません。
どちらかというと、自分の備忘録のようなものとして、一応残しておこうという感じになります。

さて、『同窓会again』は『同窓会』の続編になりますが、実質的にはファンディスクのような作品でした。
本作は、『同窓会again』のアナザーストーリーであり、『同窓会again』のファンディスク的側面がかなり強くなっています。

同窓会シリーズといえば、瑞穂と鮎のダブルヒロインですよね。
本作でもこの2人は登場しますが、今回は脇役扱いになっています。
本作で初登場のキャラもいますし、本作はダブルヒロイン以外の女性キャラに注目した作品になります。

本作の上記性質をどう捉えるかについては、人によって意見が分かれるかもしれません。
今更脇役に注目してどうすんだよとか、今更新キャラ出されてもなぁ~という考え方も十分あるでしょう。
実際、私も最初は、そう思ってしまいましたし。

ただ、私が『同窓会again』の記事で書いた、このシリーズの特徴を突き詰めると、本作のような方向性になっていくのも当然なのかもしれません。
つまりこの『同窓会』という世界の広がりを描くのであれば、縦の広がりであるストーリー強化の方向性ではなく、横の広がりである人間関係のつながりの強化の方向性につながると。
そういう意味では、本作は、ある意味とても同窓会シリーズらしい作品なのでしょう。

上記のとおり本作は、ある意味とても同窓会シリーズらしい作品でしょうし、ゲームとしての完成度も上昇しているのでしょうが、それでもやはり評価されにくい作品だと思います。
というのも、まず、このシリーズに興味がなければ、3作目である本作をプレイしないでしょう。
他方で、そこそこのファンの場合ですと、瑞穂と鮎をもっと出せよと、脇役なんていらないよと、そう考える人も少なからずいると思います。
本作を気に入る人というのは、このシリーズの特徴を理解し、そのうえでこの世界観が凄く好きだという人でしょうから、どうしてもマニア向けな作品になってしまうのだと思います。

個人的に気になったのは、ゲームデザインでしょうか。
初代『同窓会』は、簡易的なマップが表示され、そこから移動先を選択するタイプのノベルゲームでした。
他方、『同窓会again』や本作は、ごく普通のノベルゲームの形になっています。

初代『同窓会』の時は特に気にならなかったのですが、このシリーズが社会の広がりや人間関係のつながりを描くのであれば、それこそ『同級生』タイプの作品のように、町全体を表示した方が良かったように思います。
確かに、90年代中盤の『同級生』タイプの流行は去り、本作発売時には、ノベルゲーが主流になってはいましたが、そもそも本作の内容の構造自体が、ストーリー重視の構造ではないですからね。
外側(ゲームデザイン)を物語の内容に合わせず、主流のデザインに合わせただけというのでは、どうしても違和感を覚えてしまいます。

<評価>

本作のやりたかったことは伝わってきましたし、部分的には進化している部分もあるのですが、違和感もあったことから、総合では佳作とします。

本作だけに限定するならば、疑問を抱くところもありますが、それも全て、このシリーズが好きだからこそなのでしょう。
萌えも派手さもなく、今の主流とは離れた作品ですが、1人でも多く、このシリーズの魅力に気付いてほしいですね。

ランク:C(佳作)

Last Updated on 2025-02-28 by katan

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