『慟哭そして…』は1998年にセガサターン用として、データイーストから発売されました。
ゲーム機オリジナルのP&C式ADVとしては、非常に珍しい成功した作品だったと思いますね。
<概要>
ゲームジャンルはP&C式ADVになります。
あらすじ・・・
山のふもとの学校に通う主人公は、通学帰りのバスで事故にあい、気を失ってしまう。そして目覚めると、見知らぬ廃屋の一室に閉じ込められていた。
—どうして、こんな所に?
バスに乗り合わせたクラスメイトや先生、怪しげな老人の行方は?
廃屋には、他にも迷い込んできた人々がいた。
旅行中の少女たち、大学生の青年、謎の男、異国の少女、影ある女性…。
彼らは、何者かの手によって、次々に惨殺されていく。
隠された死体、血だらけのメモ、裂かれた写真。
これらの意味するものは、何なのか。
果たして主人公は、巧妙に仕組まれた罠を解き、美少女たちを救い出すことができるのだろうか?
<感想>
本作は家庭用ゲーム機では珍しい、オリジナルのポイント&クリック(P&C)式のADVでした。
そのため、比較対象が少ないうえ、本作自体の出来の良さもあり、初めてプレイする人は十分楽しめるのではないでしょうか。
ただ、この作品を語るには、『遺作』(1995年発売)との比較から入った方が良いでしょう。
『遺作』に関しての細かな点はここでは割愛しますが、ゲームジャンルは脱出系のP&C式のADVであり、本作と同じです。
また、原画は本作と同じく横田守さんでした。
さらに、『遺作』は18禁で、本作は18歳以上推奨でした。
つまり、良くも悪くもこの2作は似ているのです。
そのため、どうしても比較してしまいたくなるのですよ。
さて、P&C式ADVとしての比較ですが、単純に難易度という点では本作の方が上でしょう。
しかし、ゲーム性と難易度は、必ずしもイコールではありません。
P&C式の良し悪しとしては、クリック出来る箇所(ホットポイント)の多さ、ホットポイントの分かりやすさ、ホットポイントの反応の多彩さ、それに難易度から総合的に判断することになります。
上記のとおり、ゲーム性を図る上でのポイントは幾つかあるわけですが、難易度以外のほかの点、特に反応の多彩さでは『遺作』の方が上回っていました。
総じて、ゲーム性全体では『遺作』の方が上と言えるかと思います。
本作の場合、エロ要素でも及ばないですしね、本作は基本的には『遺作』より高く評価は出来ないのかなと思います。
ただ、じゃあ完全に2番煎じの劣化版かと言うと、必ずしもそうでないわけでして。
私が『遺作』のプレイ時に物足りなかったもの、つまりは難易度とボリュームだったのですが、この2点は本作の方が上だったわけです。
長く遊べる、長く楽しめるという観点から選ぶならば、こっちの方が適しているのです。
そういう意味では両者は方向性を異にするし、分岐要素の強化など本作ならではの方向性もありますからね。
両方やっても十分に楽しめるわけです。
特に、P&C式ADVは、圧倒的にPCでのプレイの方が向いているわけで、名作や良作の数も、圧倒的にPCゲーが多いです。
そんな中で、ゲーム機オリジナル作品として、ここまでの内容に仕上げたこと自体、評価されて然るべきだと思いますね。
<感想>
総合でもギリギリ名作とします。
まぁ、『遺作』系の作品と考えれば、そもそも、こういうジャンルは絶対数が少ないですからね。
また『遺作』の後継作の『臭作』は別ジャンルになったこともあり、本作が事実上の後継作とも言えるのでしょう。
そういう意味では、この手の作品を待っていた人には、待望の1本だったと思いますね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-08-04 by katan
コメント
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「慟哭 そして…」は当時プレイ済みですが「REVIVE ?蘇生?」は
こちらの記事でプレイしてない事を思い出したので
DC版を購入し先日プレイし終わりました。
「慟哭 そして…」に比べると確かに難易度が高かったですね。
攻略本も同時に購入しておいて正解でした(詰まるまでは自力で解きましたが)。
謎解きはやたら数字入力が多かった気がします。
時限式トラップは新鮮でしたがノーマルエンディングのために
あえて失敗する時は逆にヒマでうっとおしかったですね。
繰り返しプレイ前提なのにスタッフロールを飛ばせないのもそうでした。
ストーリーは規制でガッチガチに縛られてる感じがしてあまり印象に残らなかったですね。
もう少し核心に向かって盛り上がるかと思いましたが
エンディング含めてあっさりな感じです。
全体的に薄くなったというのは的を得ていると感じました。
これから比較のために「慟哭 そして…」も再プレイしてみようと思うのですが
セガサターンの電池が切れてセーブデータ消えちゃってましたorz
「遺作」も内容忘れてるのでまたプレイしたいですね。
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こんにちは、コメントありがとうございます。
REVIVEはおっしゃるように、攻略本を最初から用意しておいた方が良さそうな作品ですよね。
悩ませるなら悩ませるで、そういう部分にも楽しませる配慮があれば良かったのですけど。
繰り返しでも苦痛にならないような配慮も欲しいところでしたね。
ADV作りにもセンスや経験が必要だと思いますが、上手いと思える人が中々出てこないので、残念に思います。
遺作慟哭reviveと、難易度とボリュームは増していっているのですが、濃さがなくなっていったという印象が強いですね。
それでも十分に楽しめてはいたのですが、下り坂というのが残念な感じでした。
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横田守さんの暗い作品が好きです。
私はエロ<グロなので好きでしたこれ。
が、余計な分岐がありすぎてCG回収が難しすぎるんですよね。コンプしきれない。
火焔聖母も同じカンジだったなぁ。
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横田守さんの絵は一時期は最高に好きだったのですが、近年のはあまり好きでなくなってるんですよね。
一番良かった頃の最後の作品が慟哭あたりなのかなと思ったりも。