蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2

2022

『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2』は2022年にWIN用として、spriteから発売されました。
ファンディスクの第2弾であり、事実上の続編となる作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・「あたしは何でFCを続けているのか、正直、わかんないし……FCをするのが、恐いよ」「負けるかもしれない、と思っているからさ」「わ、わたし、みさきさんと試合がしたいです!」「俺とみさきは何をみているんだろう」
あの時、届いたと思っていたーー鳶沢みさきと日向晶也のその後を描く、続・蒼の彼方のフォーリズムEXTRA2。

鳶沢みさき視点で、みさきの心情を濃密に描いたシーンも多数用意。
鳶沢みさき戦だけではなく、青柳紫苑 vs 真藤一成戦、倉科明日香 vs 真藤一成戦など、さらにパワーアップした演出で描かれるフライングサーカスシーンでは、たくさんのスカイウォーカーたちの熱い戦いが描かれています。
あの時届いたと思っていたみさきは、戦う理由を探し、苦しみ、そしてーーみさきファンだけではなく、全てのあおかなファンに贈る「蒼の彼方のフォーリズム」正当続編。

<感想>

ファンディスクの第1弾が本作の約5年前になりますし、ブランドとしての新作も発売されていなかったですし、もうこのシリーズは出ないのかなと思っていただけに、本作の発売はとても驚きましたね。

本作は本編の事実上の続編となる作品であり、FCに重点を置いた内容となっています。
FCという本作ならではの世界観を再び楽しむことができ、不快に感じる要素もないことから、本編のファンであれば、まず満足できる内容になっています。

もちろん、みさきのファンであれば、より一層楽しむことができます。
魅力的なキャラの多い作品ですが、私はその中でも、みさきが好きだったので、本作はとても楽しむことができました。

また、グラフィックや演出も良かったです。
公式には、このシリーズは、ストーリー・ビジュアル・音楽を融合させた、映画的な演出で描かれるFILMIC NOVEL第1弾とされています。
あえてFILMIC NOVEL第1弾と銘打つほど大きく進化したわけではなく、これだけで名作と言えるほどでもないのですが、CGや演出は十分ですし、一枚絵もきちんと場面が描かれているものが多く、一般的なエロゲより高水準であることは間違いないのでしょう。

プレイして良かった~あの世界観に再び浸れて良かった~という前提のもと、少し気になった点について触れておきます。
まずはボリュームですね。
本作はフルプライスに準じる価格帯の作品なのですが、ロープライス作品程度のボリュームしかありません。
数時間で終わってしまいます。
私はボリュームにこだわりはないですし、短時間でも濃密な時間が過ごせればそれで満足です。
しかし、ボリュームにこだわるユーザーも一定数いて、そうしたユーザーがプレイすれば、本作は酷評されるのではないでしょうか。
例えば本作がゼロ年代前半に発売されていたとしたら、短すぎとか言われて酷評されて終わっていたように思います。
本作の一般的な評価がそうならないのだとしたら、オリジナル版から8年も経って、当時のユーザーも皆それなりの年齢になって、ボリュームより密度だと考えるように変化した結果、受け入れられるようになったということなのでしょう。

次に、本作は選択肢のない完全な一本道になります。
演出も優れていて、見ていて飽きない作品ですから、ゲーム性がないという理由だけで楽しめないなんてことはありません。
しかし、本編はアニメ化もされていますし、本作のボリュームも決して多くないわけですから、これだったら最初からアニメの方で、続編として描いた方が良かったのではと思ってしまいました。
いや、エロゲファンとしては、もう一度エロゲでプレイできて、それはそれで良かったとも思えますけどね。
ただ、この作品を表現する場として、エロゲが最適だったのかとなると、それはちょっと違うのではないかなと思うのです。

<評価>

端的に言えば面白かったです。
ただ、上記のとおり、本作に対していろいろ思うこともありますし、少なくとも本編よりは下回るのは間違いないということ等から、総合では良作とします。

とりあえず、早くアニメ化してくれと、そんなところですね。

ランク:B(良作)

駿河屋

DL版

Last Updated on 2024-04-20 by katan

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