『Divers』は1994年にPC98用として、ミンクから発売されました。
良質な育成SLGであり、ある意味94年らしい作品なのでしょう。
<概要>
ゲームジャンルは育成SLGになります。
最初に4人の女の子の中から一人を選んで、そのヒロインを格闘大会で優勝できるように育てることになります。
ミンクは、93年にSLGでデビューした珍しいブランドでした。
2作目以降もゲームシステムにこだわりは見せていたものの、ジャンルはADVになっていたわけでして。
またデビュー作にしても、純粋なSLGというのではなく、テーブルゲームとの中間的な構造でしたからね。
純粋なSLGとなると、以外にも本作からだったかと思います。
<感想>
育成SLGというのは、一般的に元祖とされる『プリンセスメーカー』(1991)を始めとして、主に一般PCゲーで発展してきました。
93年には、これこそ人生最高の作品と言う人を何人も見た『プリメ2』も発売され、90年代中頃には盛り上がったジャンルだったんですよね。
もっとも、その波がアダルトゲームに訪れるのは遅く、94年になって急激に増えだした印象が強いです。
本作もその中の一本であり、アダルトゲームに限定するならば、つまりエロのある育成SLGとしては、新しく普及し出した旬のジャンルとも言えたのでしょう。
アダルトゲームでも育成SLGを楽しめるようになったということで、それだけでも一定の満足度は得られるのでしょうが、本作は一本のゲームとしても普通に面白かったですね。
上記のように、まず4人のヒロインの中から一人を選びます。
そのヒロインの育成スケジュールを組むのですが、もちろんこの育成シーンはプチアニメで動きます。
そして育てたヒロインに武器や防具も揃えつつ、試合に挑むことになります。
試合があることで、自分の育成の結果が把握しやすいですし、それが面白さにもつながったのでしょう。
試合に勝てば、相手から武器やお金を得ることもできるのですが、そこはアダルトゲームらしく、相手の身体を要求することもできました。
<評価>
私はアダルトゲームだからと枠を区切って考えることはしないですし、一般PCゲーでは育成SLGが黄金期に入っていましたからね。
本作もバランスの取れた良い作品ではあったものの、それらと比べて特に秀でているという部分もなかったことから、総合ではギリギリ良作としておきます。
もっとも、アダルトゲーム内で区切って考える人もいるでしょうし、
またアダルトゲームにおいて、ようやく育成SLGが普及し始め、その時期に本作の様な良質な作品が早めに登場したことは、業界にとってもユーザーにとっても良かったと思います。
翌95年以降は、よりアダルトゲームらしく、調教SLGが登場し増えていきますからね。
ある意味調教でない育成SLGがアダルトゲームで多く楽しめたのは、94年だけとも言えるかもしれませんね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-10-09 by katan