『ディスコ エリジウム』は2022年に、スパイク・チュンソフトから発売されました。
オリジナル版は2019年の発売で、海外で大絶賛されたことから、膨大なテキストの日本語化につながり、国内版も発売された作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはADVになります。
一部でRPGという紹介のされ方もしていますが、ゲームデザイン的には完全にADVになりますね。
あらすじ・・・ホテルの一室で目覚めた主人公。
自分の名前すらも憶えておらず、室内の状況や周囲の人間との会話から、自分が殺人事件の捜査に派遣された刑事であることや、前日まで泥酔していたことなどが分かるのみという状況でゲームは開始します。
殺人事件の捜査を共に行う相棒キム・キツラギ警部補は、主人公とは真逆の、几帳面で真面目な人物です。
舞台となるマルティネーズ地区の土地勘もあり、頼れる人物です。
概要・・・ゲームを進めていく中では数々のタスクが発生します。
本作では一つのタスクに対していくつもの解決方法が用意されており、それぞれのプレイヤーが自分の主人公が得意としているやり方を見つける必要があります。
<感想>
海外のADVファンであれば、知らない人はいないほどの有名作ですね。
アクション要素のないADVで話題になるような作品って、最近ではほとんどないですからね。
それだけに、本作が海外で大絶賛され話題になったことは非常に驚きでした。
本作が面白いことは疑う余地がないですし、絶賛する記事や詳細な記事もいくらでもあるでしょうから、今回は短評とさせていただきます。
まぁ、本作を名作と評すること自体は文句はないんですけどね。
膨大なテキストの本作を日本語化してくれた点には感謝しかないですし。
それに私は、もともとこういうタイプの作品が好きですしね。
ただ、本作には、こんな作品初めてプレイしたというようなインパクトはなく、新鮮さは感じられなかったかなと思います。
少なくとも『Planescape Torment』を初めてプレイしたときのような衝撃は、特に感じられなかったです。
私が本作を傑作と感じられなかった理由は、その辺が大きいですね。
なお、『Planescape Torment』は実質ノベルゲーと同じだよねと言いつつも、戦闘要素等もあったことからRPGで良いのでしょうが、本作は戦闘育成要素がなくなっていますので、普通にADVとなるのでしょう。
<評価>
海外のADVは移動要素や謎解き要素はありつつも、分岐の要素がない作品が多かったです。
他方で日本のADVは、途中でノベルゲーだらけになり、ノベルゲーは分岐要素が多い作品はあるものの、逆に移動や謎解きとかが皆無だったりするわけでして。
伝統的なP&C式ADVに多数の分岐要素が加われば完璧だろと、昔はそんな風に考えたことがありました。
そういう作品は絶対に需要があるでしょうし、それが本作の海外での大絶賛にもつながったのでしょう。
そういう意味では、ADVの理想形と呼べる作品が登場し、日本語で楽しめる時代がきたとも言えるわけで、本作の日本語版が発売されたことは、とても良かったと思います。
他方で、過去の名作の派生版にすぎず、新鮮味はそれほどでないこと、操作性はあまり良くないため、人を選びそうであること、RPGの進化が著しい近年の状況等をふまえると、本作を傑作と呼ぶには、もう一つ足りなかったかなと思いますので、総合ではギリギリ傑作に届かない名作としておきたいと思います。
癖のある作品ではありますので、合わない人もいるとは思いますが、ADVファンであれば、一度はプレイしてみる価値のある作品だと思いますね。
ランク:A(名作)
Last Updated on 2024-09-15 by katan