『DEEP2』は2002年にWIN用として、セレンから発売されました。
調教SLGにおける3大聖典の1つである『DEEP』。
その後、派生版は幾つか登場しましたが、正式に後継作たる2のタイトルを付けたのがこの作品でした。
<概要>
ゲームジャンルは調教SLGになります。
前作の『DEEP』は、マトリクスシステムという画期的なシステムを搭載し、数多くのファンを生み出しました。
95年発売の『SEEK』、96年発売の『虜』よりも後発であるにもかかわらず、それらと併せて3大聖典と呼ばれていることからも、その高い評価は分かるというものです。
もっとも、『DEEP』が高い評価を得たのは、主にそのゲームシステム部分の評価によるものであり、同人上がりブランドの処女作ということもあってか、グラフィックをはじめとして、チープな点も残った作品でもありました。
それから3年。
『DEEP』の続編が今度は可愛いキャラになって帰ってくる。
これには期待せざるを得ないってものです。
ゼロ年代に入った頃には、調教SLGだけでなく育成SLGも激減していましたからね、余計にも期待したくなったものです。
<感想>
さて、肝心の中身がどうだったかといいますと、調教SLGを何本も作ってきたブランドだけあって、確かに、そつなく纏められています。
キャラは前作より可愛くなっているし、ボリュームも前作より大幅に増えています。
そのため、プレイして楽しめるかという観点からは、十分楽しめる作品と言えるのでしょう。
しかし、良くも悪くもそれだけでした。
少なくとも私は、本作をプレイすることで、新たに得られるものはありませんでした。
本作の場合、どうしてもゲームシステムに注目しがちです。
もっとも、そのシステム部分は、ただ単にボリュームが増えただけという感じで、本作ならではというセールスポイントがなかったのです。
もちろん、前作と異なる方向性での進化という選択肢もあるでしょう。
しかし、ボリュームが増えた割には、個々のシーンがちょっとずつ物足りない感じがしました。
つまり、ストーリーやテキストという方向性での大きな進化もなかったということになります。
<評価>
いろいろ不満点も書きましたが、実際のところ、このレベルで作り込まれた調教SLGは、そうはないでしょう。
そのため、総合でも良作とします。
セレンも、ゼロ年代半ばからはノベルゲーばかり作っています。
したがって、セレンの純粋な大作調教SLGはおそらくこれが最後でしょう。
同人時代から調教SLGを作ってきた老舗的存在で、私も同人時代から応援していました。
ただ、結局、商業用の処女作を超えるものを作れずじまいだったことが、今となっては寂しくありますね。
もし仮に『DEEP2』が凄い出来で売れまくったとしたら、調教SLGの未来は少しは変わっていたのでしょうか…
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-05-12 by katan
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